
3月7日から8日にかけて、各JA別生産者説明会を開催しました。
この会は、生産・出荷意思の表明をしてくださった生産者の方に、あらためてJA管内別に
ご参集いただき、生産者同士の顔合わせ、JA担当者との顔合わせをしつつ、木村式自然栽培の
稲作の進め方や、認証活動の概要などを具体的にご説明する、という趣旨のものです。
事前準備の段階で、今回は特に、お互いの顔を見ながらできるだけ近い距離感をもった交流を
したいということで、席の並べ方やタイムスケジュールなど、これまでとは違った形にしました。
一人ずつ自己紹介をし、木村式自然栽培に取り組もうと思ったきっかけや、始めてみて
楽しんでいること、逆に困っていることなど、ざっくばらんにお話いただきました。

今回、生産者の皆さんからの質問で一番多かったのが、間近に控えている耕起のこと。
木村式自然栽培では、根の動きや好気性菌を生かすために、出来るだけ土を乾燥させた
状態で、浅く荒く耕すことを奨励しています。
ですが、春は「一雨ごとに暖かく…」の言葉に形容されるように、たびたび雨が降ります。
なかなか晴れた日の耕起作業のタイミングがとれない、また深く耕さなくていいのか?などと
いった質問がどの会場でも出ました。これについては熊田主任研究員から詳しい説明があり、
「それを念頭に、まずはやってみることが一番!」と山田理事からの激励の声が出ました。
このほかにも、頭では分かっているつもりだったのに、実際に目の前で起こってみると
どのように対処していいのか分からなくなってしまった…といった、ちょっと禅問答に
陥ってしまうような疑問・悩みが、会場から次々と出ていました。
実は木村式に取り組んでいると、このような現象がよくあります。
そのたびに、自分の栽培に対する考え方と対峙することになります。
木村式が「実践者に自立が求められる栽培法」といわれる所以なのでしょう。
農薬や肥料を使えばどれも簡単に解決するのですが、木村式自然栽培はそれに頼りません。
ここで匙を投げず、辛抱強く続けることが、自然栽培生産者への道となります。
(消費者の皆さん、どうぞこうした生産者さんのご苦労を知ってくださいね)
「私はこうしとるよ」「ほぉ~じゃあウチでもやってみよう」
このように生産者同士で智恵を出し合い、いろいろな考えをシェアすることが、
自然栽培への理解を深め、輪が広がっていくことになります。
当会では今後、もっともっとざっくばらんに、生産者さん同士が気軽に集まれるような会を
企画していきたいと思っています。(只今、スケジュールとにらめっこ中)

最後にステキな場面を。左の写真は、
とある会場の会が終わった後の光景。
JAの担当者さんと生産者さんとが
自発的に対面でお話されていました。
肥料・農薬を売る立場のJAの方々が、
「木村式自然栽培をやりたい」という
生産者(=JA組合員)の志を受け止め、
前向きに動き始めてくださっているのが
伝わってくる光景でした(感涙…)
未来は明るくなってきています!!
(TPPになんか負けないぞ~w)