
折笠さんファミリーのことを少しご紹介しますと、折笠廣司さんのお兄様で、
北海道にある「折笠農場」3代目 秀勝さんは、ビート(てんさい)の栽培で反当たり収量で
2年連続全道1位に輝いたこともある豪農。
しかし、除草剤のために土が痩せていくことに危機感を覚えるようになり、
昭和40年代には すでに緑肥を取り入 れた減農薬農法に転換されます。
そして、「農地を開拓時代の豊かな土に戻す」「持続可能な農法を探る」という目標の中で、
後継者の4代目 健(ますらお)さんが、木村秋則さんに出会います。
すでに農薬に頼らない農法で素地を持っていた折笠さんたちは、木村さんと共に自然栽培の
パイオニアとして歩き始めます。現在では、70haもの広大な土地の1/3で、自然栽培の
じゃがいも、大豆、小豆などを作っていらっしゃいます。
そんな北海道の兄弟たちを後方支援しているのが、こちらの写真の廣司さんです。
特に大豆に着目し、無添加の豆腐をはじめ、おからや豆乳などの商品開発を行い、
製造から販売までを一貫して行う会社「椿き家」を創業されました。
、
現在はアレルギー疾患に悩む人のために、抗アレルギー生活を提案する「まざーずはーと」を
設立。専門医師、研究者、管理栄養士、メーカーらと自然栽培の作物や加工品の科学的検証を
進めていらっしゃいます。
当会が自然栽培に取り組むずっと以前から、文字通り「足を使って」自然栽培の可能性を
世に広め、ご苦労されてきたお一人なのです。
「自然栽培で出来た作物は、どんな人にも公平に買ってもらえるものにしなくちゃいけない。
富裕層だけに高い値段をつけたり、ビジネスにして必要以上に儲けようなんて思ったり
しちゃいけない。 俺たちはそんなことのために頑張ってきたんじゃないんです」
そうおっしゃる折笠さんの言葉には、木村さんと同じ、積年の重みがありました。
私財を投じてまで、懸命に努力してこられた折笠さんたちのご苦労話を伺うにつけ、
こうした人々の努力のおかげで、自然栽培の灯火が消えることなく現在に至っていることに
感謝し、彼らの努力を踏み台にしてはいけない、と当会は背筋を正しています。