自然栽培のパイオニア、来たる

熱く語る「椿き家」社長の折笠廣司さん
熱く語る「椿き家」社長の折笠廣司さん

 

皆さま こんにちは!

春分が過ぎ、日に日に春めいてきましたね。

新しい季節へ向けて、植物や虫たちはすでに

行動開始!先日はモンキチョウが飛んでいましたよ。

さぁ、私たちもうかうかしていられません。

***

…と思っていたところ、すでに行動開始している人が

広島県から当会へいらっしゃいました。

じつはこの方、自然栽培のパイオニア、北海道にある

折笠農場」の3代目折笠秀勝さんの弟さんで、

広島県三原市に本社を持つ、無添加豆腐の製造で有名な

椿き家」社長の折笠廣司さんです。

折笠さんファミリーのことを少しご紹介しますと、折笠廣司さんのお兄様で、

北海道にある「折笠農場」3代目 秀勝さんは、ビート(てんさい)の栽培で反当たり収量で

2年連続全道1位に輝いたこともある豪農。

しかし、除草剤のために土が痩せていくことに危機感を覚えるようになり、

昭和40年代には すでに緑肥を取り入 れた減農薬農法に転換されます。

 

そして、「農地を開拓時代の豊かな土に戻す」「持続可能な農法を探る」という目標の中で、

後継者の4代目 健(ますらお)さんが、木村秋則さんに出会います。

すでに農薬に頼らない農法で素地を持っていた折笠さんたちは、木村さんと共に自然栽培の

パイオニアとして歩き始めます。現在では、70haもの広大な土地の1/3で、自然栽培の

じゃがいも、大豆、小豆などを作っていらっしゃいます。

 

そんな北海道の兄弟たちを後方支援しているのが、こちらの写真の廣司さんです。

特に大豆に着目し、無添加の豆腐をはじめ、おからや豆乳などの商品開発を行い、

製造から販売までを一貫して行う会社「椿き家」を創業されました。

現在はアレルギー疾患に悩む人のために、抗アレルギー生活を提案する「まざーずはーと」を

設立。専門医師、研究者、管理栄養士、メーカーらと自然栽培の作物や加工品の科学的検証を

進めていらっしゃいます。

当会が自然栽培に取り組むずっと以前から、文字通り「足を使って」自然栽培の可能性を

世に広め、ご苦労されてきたお一人なのです。

 

「自然栽培で出来た作物は、どんな人にも公平に買ってもらえるものにしなくちゃいけない。
 富裕層だけに高い値段をつけたり、ビジネスにして必要以上に儲けようなんて思ったり

 しちゃいけない。 俺たちはそんなことのために頑張ってきたんじゃないんです」

 

そうおっしゃる折笠さんの言葉には、木村さんと同じ、積年の重みがありました。

私財を投じてまで、懸命に努力してこられた折笠さんたちのご苦労話を伺うにつけ、
こうした人々の努力のおかげで、自然栽培の灯火が消えることなく現在に至っていることに

感謝し、彼らの努力を踏み台にしてはいけない、と当会は背筋を正しています。