お田植え祭、無事終了!

6月8日、爽やかな風が吹くお天気のよい一日に、お田植え祭がつつがなく終わりました。

お田植え祭といっても、田植え機で植えていくのを皆で見守るだけのことなのですが(笑)

皆で今年の豊作を祈り、各地の生産者さんが事故なく無事に農作業が進むように、と祈願しました。

当日は生産者さんを中心に、NPO賛助会員さんや各ユーザーの方、県外の仲間団体が集まりました。

 

昔は、田植えの日には親戚やご近所が集まり、総出で手植えをしていましたね。

今日は○○さんちの田んぼ、明日は□□さんちの田んぼ… といったように皆で協力して。

あれよあれよと植えていく「田植え名人」の華麗な手さばきに見とれたり、皆で食べるおにぎりやお漬物が美味しかったり!

大変だったけれど、心地よい疲れと充足感がある田植えでした。

こちらが理事の山田が籾殻くん炭を利用して作った苗です。

木村さんが絶賛し、作り方を全国の農業指導でもお話されているという苗。根がびっしり!

そもそも、育苗の段階から肥料は一切使用しない中で「大苗に育ててください」と指導するため、

皆さん、とても四苦八苦されます。田植えまでに間に合うよう期限があるので、尚更です。

水温管理、日照、土…ありとあらゆる条件のバランスを調整しながら育苗しなくてはなりません。

 

今年は育苗の時期の気温が低かったので、余計に生長に遅れが出ていて、大変なんです。

生産者さんがあちこちで「胃が痛いわー」と嘆いているのを聞いて、こちらまで痛くなりました。

さすがの山田も実は今年はピリピリ・イライラモード全開で、スタッフもしばらくのあいだは

近寄れないほど怖かったんですよ~(汗)

ニコは氏神様へ行って「生産者さんの苗が大きくなりますように!」と神頼みする日々でした。

植え方はおなじみ、疎植です。苗も1~2本植えにします。

「そんな植え方じゃ収量が少ないじゃん!」という方は、

まだ自然栽培の入り口ですヨ(笑)

この後、凄まじいくらい分けつしますので、お楽しみに。

 

今年の新たな気づきとして一点。

田んぼから何やら臭いがしていました。

「あれ?何だろう?」皆首をかしげていたのですが、

昔の稲作を知っている世代の生産者さんの一言で解決。

臭いの元は、レンゲでした。レンゲが土と混ざった際の

発酵の臭いだったんですね。昔なら当たり前だったそうです。

もちろん、すっかり枯れてから耕転しているので、

窒素分はゆるやかにやさしく圃場に伝わり、

この効き方は、自然界の摂理に許された範囲内です。

 

お田植え祭も無事に終わり、午後は

懇親会。田の神様へ無事に田植えが

済んだことを感謝し、田植えを終えた

仲間と共に囲む祝宴のことを

『早苗饗(さなぶり)』といいます。

語源は「早苗振る舞い」からだとか。

 

サクラのサは、田の神様を指す

というエントリーをしたことがあり

ますが、「早苗」「早乙女」なども

「サ」で始まりますよね。

民俗学を紐解くとおもしろそうです。

お寿司はもちろん、「すし遊館」!(笑)
お寿司はもちろん、「すし遊館」!(笑)

 

懇親会は大変盛り上がりました。

参加された皆さんのトークの濃いことといったら!
木村さんの話や、実行委員会のウラ話、

これから岡山で発信できる可能性について!等々、

希望とワクワク感でいっぱいの、

かなり磁場の高い楽しいトークでした。

 

 


うちの生産者さん、控えめだと思っていましたが、内に秘めた情熱はタダモノではありません!

奥ゆかしく上品な美味しさとは裏腹に、在来種として現代にも生き残ったほどの逞しさを誇る

「朝日米」に通じるものを感じました。

始めるまではかなり慎重に様子見をするものの、一旦受け入れたら物凄い力を発揮するのは、

晩生種である「朝日米」を育んだ土壌をもつ、岡山県人独特の県民性かも知れませんね。

これから過酷な夏が始まりますが、稲が健やかに生長するよう、皆で応援していきましょう!