
こちらはある生産者さんの田んぼ。工業コンビナートを遠くに望む、棚田です。
岡山県内、少し車を走らせば、いろんなところに棚田があります。
ここからの夕暮れの景色を皆さんへもお見せしたくて、ため池から段々に落ちていく水音を
聞きながら、日が沈んでいくのをじっと待ちました。夏がすぐそこまで来ているというのに、
山から下りてくる風は涼しく、気持ちがよかったですよ^^
昭和の時代、高度経済成長を支えた水島コンビナートは、長い長い年月を経て、
この棚田とのコントラストの対象となり、一つの景色として受容されるまでになりました。
戦後からの人間の歩みの軌跡を見ているようです。
今を生きる私たちは、これからこの景色に何をつけ加えることになるのでしょうか。
いや、自然栽培流にいえばもう、「つけ加える」なんていう思考からは
そろそろ卒業することも考えた方がいいのかも知れません。
「何もしない」ことをする。
Doing nothing is doing all. 倉敷の町づくりに多大な貢献をした建築家、
浦辺鎮太郎氏が倉敷に残した格言です。
先日、農業にまつわる諺をご紹介しました。
下農は草をつくる
中農は稲をつくる
上農は土をつくる
特農は心をつくる
これを縦に見てみると、「草」「稲」「土」「心」が見えてきます。
この4つは、どれが欠けても自然栽培の作物が実ることはありません。
ということは、全ての人が「上農」「特農」でなくてはいけないということはなく、
「下農」も「中農」も必要、みんな必要、ってことなんですね。
明日からも、美しい景色の中で生きる私たちでいたいものです。