全国に広がる自然栽培の輪

8月4日のシンポジウムに先駆けて、3日には「西日本連絡協議会」が開催されました。

せっかく木村さんが西日本へお越しになるということもあり、この機会に 関西~四国~九州のちょうど中間点でもある岡山に集まっていただき、各地での取り組みを互いに発表し合い、情報交換をしませんか?とお声掛けをしたところ、各団体の皆さんが快く駆けつけてくださって実現した会です。

会では取り組み状況や困っている問題点など、自由なスタイルで意見発表をしました。

 

大阪府木村式自然栽培実行委員会さん。(大阪府)

大阪では、木村さんや自然栽培のファンを増やし、消費を喚起する活動に主眼を置いて取り組まれています。さすがは天下の台所、大阪ならではのアイデアとパワーで、生産者の皆さんを盛りたててくださっています。大阪発の商品開発やプロデュースなど、じわじわと力を発揮!大阪の皆さん、自然栽培に取り組む生産者さんの強い味方役、よろしくお願いします!

 

香川県木村式自然栽培実行委員会さん。(香川県)

瀬戸内海を望む五色台という連峰の麓の広大な土地の一角で、野菜やハーブの栽培に取り組まれています。各作物の栄養成分の分析や、東洋哲学の視点から見る自然栽培の精神性の研究まで、幅広く研究されているとのこと。その研究成果をまとめるところまでをキッチリとやり抜いていらして、やりっぱなしになっていない点が素晴らしい!着眼点の鋭さに、会場からもどよめきが^^

 

NPO法人鳥取県木村式自然栽培実行委員会さん。(鳥取県)

若い担い手生産者さんを中心に、勉強会や試食会など、丁寧な活動・企画を頻繁に開催されています。

当会はまだこうした参加型の企画が少ないので大変勉強になりました。

嬉しいことに、8月29日にNPO法人として認可・登録が完了されたそうです。

鳥取の皆さん、NPO法人の設立おめでとうございます!

 

NPO法人吉野川に生きる会さん。(徳島県)

美しい吉野川とその流域の自然を壊すことなく、吉野川の恵みである農林水産物を活用した産業や歴史と文化を基盤とした観光事業を起こすことを推進していらっしゃいます。この取り組みに自然栽培を取り入れ、米づくりも進めています。このお米で造られた純米酒「ありがとう」も絶賛販売中とのこと!当会の「奇跡のお酒」といい、自然栽培のお酒は喉越しがよく、とても評判がいいのです。各地の自然栽培原料のお酒の飲み比べもできるといいですね^^

 

パーソナル・アシスタント青空NPO法人ユニバーサル・クリエイトさん。(愛媛県)

木村興農社の熊田さんが木村さんの右腕なら、左腕はこの人!?と最近巷で噂のニューヒーロー、佐伯康人代表。全国の講演や指導で大変な木村さんに、少しでも力になりたいとお手伝いを申し出られたそうです。地元愛媛では障がいのあるなしにかかわらず、誰もが安心・安全に暮らしてゆける持続可能な地域社会の創造」というテーマで、農業や食を通して障がい者、高齢者および子育て世代になどが交われるコミュニティづくりに奮闘されています。
当会が設立された当初よりお米づくりについて勉強しに岡山へいらしており、木村さんへもお繋ぎしました。今も稲作のノウハウについて情報をご提供しています。

 

NPO法人しあわせみかん山さん。

後継者のいなくなったみかん山を引き継ぎ、人と自然と地域をつなぐお手伝いをされていらっしゃいます。木村さんを招いての剪定会以降、みかんの木が若返り、ぐんぐんと生育していく姿は圧巻。その様子を細やかに観察し、多くの人とその喜びをわかち合うみかん山の皆さんの温かい雰囲気にファンが増えています。「こんな会を開いてくれて、ホントにありがとう」としみじみと声をかけてくださった入野氏。数年前に体調を崩されたとのことですが、自然栽培に触れてお元気になられたようで、本当によかったですね!ご来岡されていた理事長の海島未来さんのお姿が見られず残念でした。よろしくお伝えください♪

 

NPO法人英田上山棚田団さん。(岡山県)

今をときめく飛ぶ鳥を落とす勢いの集団といえばこちら、上山集楽の皆さん。岡山県美作市の限界集落にある棚田を再生し、耕作放棄地や放置山林、古民家などを未利用資源と捉え、様々な事業を組み合わせてモノを販売するだけではない価値観の多様性を提案されています。「えっ?上山も木村式やってたの?」と思われた方も多いでしょうか。土壌環境の違いから、当会が推奨している手法とは若干の違いがあるものの、熊田さんがキューピッド役になってくださり、同じ岡山同士、ぜひ情報交換しましょう!とおつきあいが始まりました。行動力、発信力等、学ぶことも多く、刺激になります。

 

※上山では、来年度からは田んぼの大半を減農薬へ戻されるそうです。

 

伊吹山スロービレッジさん。(滋賀県)

こちらも棚田再生に取り組まれている滋賀の皆さんです。上山の棚田の皆さんとも仲良し^^

滋賀県米原市にある伊吹山の麓、ミネラル豊富な水源からの清流で育つお米や野菜づくりを進めていらっしゃいます。自然の力を生かした循環型農業に取り組むだけでなく、都市住民の方たちにも自給自足の場を提供したり、生活を楽しむ場にもしたいと活動されています。土壌微生物の活性値調査など、科学的な切り口の勉強も進んでおり、毎月開かれている勉強会に当会も興味津々!お近くの方はぜひご参加されてみてはいかがでしょうか。

 

ながさき木村式自然栽培研究会さん。(長崎県)

今年の春に発足された会で、まずは水稲、オリーブ、みかんの栽培から着手されるとのこと。熊田さんや愛媛の佐伯さんが農業指導に赴かれています。すでにグリーンツーリズムや、生産物を取り扱うマルシェへの出店などで厚い実績をお持ちの皆さん。長崎市の農業振興課のバックアップも受けて、万全の体勢で自然栽培をスタートされており、今後のご活躍が楽しみです!マイクをお持ちの甲田さんは、なんと軽トラで長崎から岡山までお出でくださったそうです(驚!)

最後は当会。おなじみ、山田がお話させていただきました。当会の取り組みは…もうすでにこのBlogで皆さんにはご存知いただけていると思いますので、省略(笑)

 

木村興農社主任研究員 熊田浩生氏
木村興農社主任研究員 熊田浩生氏
「農業ルネッサンス」ライター 温野まき氏
「農業ルネッサンス」ライター 温野まき氏

このほかにも、ご指導いただいている熊田さんや、木村さんの活動を専門に取材する機関誌「農業ルネッサンス」のライター 温野まきさんなど、陰で木村さんを支える方々にもご登壇いただきました。

熊田さん、温野さん、いつもありがとうございます♪

 

JA倉敷かさや 山部営農部長
JA倉敷かさや 山部営農部長
全農岡山県本部米穀部 芦田監理役
全農岡山県本部米穀部 芦田監理役
JA岡山OB 鎌谷実行委員
JA岡山OB 鎌谷実行委員

当会の異例な(?)特色でもある、実行委員会メンバーに入ってくださっているJAや全農の皆さんにもお一人ずつお話いただきました。

「岡山以外も、みんなすげーなぁ!」と感嘆の声を上げていたJA関係者の皆さん。

「あのパワーポイント、うちの職員にも見せたいんじゃけど、いけんかな?」という声まで^^

当会の生産者の皆さんへも、10月に予定している収穫祭などで、会の様子をご覧いただけるようにしたいと計画しています。

 

さて、会が終わってそのままの勢いで、理事長の高橋邸にて懇親会。

幸せが充満しておりますーーー!
幸せが充満しておりますーーー!

こちらの広間、じつはエアコンがないため、もうみんな汗ダッラダラ状態wwwww

そうでなくても熱い人間がこれだけ集結していて、一体この部屋の温度は何度だったのか!?

集まりすぎて、玄関ホールにまで人がはみ出していました(笑)

もうみんなの顔、汗でテカテカに光り輝いているじゃないですかーーー!

 

やっぱり、明日の農業は明るい!!

 

・・・と、オチもいい具合に着地できたところで(?)、今回のレポートは終了です。

8月はシンポジウム関連のネタ月間でお送りしましたが、いかがだったでしょうか。

当会も日頃は、自分たちが自立していくために精一杯なのですが、こうしてほかの皆さんの努力されている姿を拝見することが出来、たくさん刺激をいただき、勉強になりました。

 

各地の小さなコミュニティがそれぞれ自立しハッピーになり、その点が1つ増え、2つ増え、あちこちに自立したコミュニティが生まれて、点と点とがつながっていく。俯瞰すると、いつのまにか全体がハッピーになっていた。そうなると素敵ですよね。ボトムアップ型の広がり方。それは自然界に集まる大小の生き物たちの動きと同じ構図ですね。


それぞれの想いや手法、表現の方法に多少の違いはあっても、みんなの見つめている中身は同じ。お互いに一歩引いて相手への敬意の念を持つことで、私たちはつながることができます。その大切さを、熊田さんは「関係性の表現」という言い方で日頃からお話されています。これは「人:人」だけではなく、「人:作物」「人:自然」にも当てはまります。

今回、時間も経費も要するにも関わらず、快く岡山へ集まってくださった皆さんのおかげで、私たちはあらためて、「関係性の表現」について考える素晴らしい機会をいただきました。ありがとうございます。

 

もう夏も終わり。そろそろ朝夕は秋の風が吹き始めているようです。

季節の報せに感性をかたむけ、自然に寄り添いながら、私たちは又進んでいきたいと思います。