ただいま 朝日は穂づくり中

しばらく更新が止まってしまい、ご心配をおかけしました<(_ _)>

心配といえば、このところの大雨や台風の影響、田んぼの様子はいかがだったでしょうか。

被害に遭われた方へ、まずは心よりお見舞い申し上げます。

当会の生産者さんの田んぼのことも気になり、県内各地の皆さんへ様子を伺ったところ、

「隣の田んぼは稲が倒れているけれど、ウチのは全く問題なしです」

「ウチの稲だけ倒れていないんで、近所の人が見に来たんですよ!」

というお返事。ありがたいことだなぁと胸をなでおろしました。夏の一番暑い頃に熱中症で倒れてしまわれるのではないか…と心配になるほど、汗びっしょりになって草取りをしている姿を見ているだけに、轟々と鳴る風と雨の音を聞くたび、田んぼはどうだったかな、水路を見に行って事故に遭った生産者さんはいないだろうか…と、胸がキリキリ。最早 他人事のようには思えなくなっているスタッフです。

 

さて、そろそろ地域によっては稲刈りが始まりましたね。

この時期に刈り取られる稲は早生の品種がほとんどです。

コシヒカリが代表的でしょうか。

 

これに対し、当会の推奨している朝日米は晩生なので、まだやっと穂が出揃った感じです。朝日はすごいなぁと思うのは、温暖な岡山では田植えが少々遅くても構わないので、梅雨の季節に大陸から梅雨前線に乗ってやってくるウンカに産卵される時期を避けて、田植えが出来ること。そして、この9月の台風の時期にも、まだ「頭を垂れる稲穂かな」の姿になっていないので、倒伏のリスクが避けられること。

播種から収穫までの期間が長い晩生種の朝日は、田植えと稲刈りという米作りの二大作業が、自然が猛威を振るう時期を避けて行えるんです。

ホント、焦らないってステキ(*´艸`*)

自然栽培×朝日の生来の特性×温暖な気候&災害の少ない岡山というトリプルの組み合わせの技の妙は、ちょっとほかにはないかも知れません!(と、自画自賛^^;)

とにかく、田んぼの神様に感謝しきれないほど、朝日米は条件に恵まれたお米なんですね。しかも味までバッチリというのだから、本当に夢のような品種だと思います。

晩生種に限らず、自然栽培の作物は、肥料を与えられていない分背丈が低く、土の中では下へ横へとしっかり根を張りますので、早生品種であっても倒伏の心配がほとんどありません。

県外の自然栽培団体の仲間の皆さんからも、今回の台風18号の影響を受けず「無事に稲刈りを始めたよ~!」という声が入ってきています。

当会が設立された2010年にコシヒカリを植えた方の台風通過後の様子がレポートされたBlogもありますので、台風にも負けなかった稲の様子を比較画像を交えてご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/lippia/20100914/p1

 

というわけで、岡山の朝日は稲刈りは来月下旬の予定で、只今、最後の圃場巡回で大忙しの毎日です。

上の画像ではスズメノヒエがたくさーん!

でもあまり躍起になって取ろうとしなくても大丈夫。(全く取らないのもNGなのですが)

一説には、スズメはヒエやアワなど、お米よりも小粒の穀物の方が好きなのだそうです。昔は、わざわざスズメ避けのために、畦にヒエやアワを植える農家もいたとか。

 

「お!この美人、誰じゃ!?」と思われたそこの貴方!モデルさんを連れてきて撮影したわけではありません。この方も生産者さんです。若いママさんです。(結婚していると知って残念がってない?笑)

 

新規で登録された方で、農業はまったくの素人。機械も何もなく、「まずは手で植えて、手で刈って、ハザ掛けでがんばります!」と宣言した頼もしい生産者さんです。出来ない理由をアレコレ並べず、まずはやってみる!という精神に拍手を送りたいですね。誰かに依存することなく、草だらけになっても、この笑顔で「きっとなんとかなります~!」と挑戦し続けていらっしゃいます。なんだか勇気をもらえますね。

 

今年は収量はあまり出ないかも知れませんし、草だらけですが、当会はそんな生産者さんも応援し、お米もきちんと買い取りますので、安心して次へとつなげてくださいね!

真っ黒に日焼けした手に、現場を大切にしているJAさんの姿勢が見えるようです
真っ黒に日焼けした手に、現場を大切にしているJAさんの姿勢が見えるようです

「僕ぁ、あの田んぼを見ると胃が痛くなりそう」「ホンマに大丈夫なんかなぁ?」とハラハラしているJA担当者さん(笑) でも「あの細い道さえ通れたら、機械を持ってきてあげられるんじゃけどなぁ」「また見に行ってあげんといけんなぁ」と、本当はすごく心配しているのがわかります^^ 巡回の途中で立ち寄ったコンビニで、長靴についた泥を水溜りで落とし、入り口のマットで何度も何度も靴底をぬぐってから入店された様子に、このJAさんがいつも相手の立場を考えて行動されるお人柄がうかがえます。

生産者さんの圃場1件1件を、独自で作られたフォーマットに記録していらっしゃいました。

 

「肥料も農薬もやらんのじゃから、こちらから何かを指導するってことはないんだけれども、様子はどんなですか?って覗いてあげるだけでも “ 今日は農協さんが来てくれた ” と言って、やっぱり農家の人は安心してくれますからね

「自然栽培がブームになってくるのかも知れませんが、そんなことは関係なく、我々がいつも忘れてはいけないのは、消費者の人と生産者さんを大切にすること。地道にコツコツ、一緒にがんばりましょう

と励ましてくださっています。

巷では、JAは農家のためのJAではなくなった…という声も多いですが、そんな人ばかりではありません。自然栽培の普及に力を貸してくださる方は、農業のプロとしての誇りを持たれています。そしてこれからは、どこの所属や団体か、どんな肩書きかという十把一絡げの視点ではなく、その人個人がどうであるかが、より一層明確に評価される時代になってくるのかも知れませんね。NPOスタッフも、日々プロに学びながらがんばっています(^^)/