
雨が心配された10月19日の収穫祭。傘や雨具を身につけてのドロドロ収穫祭になるのか…と思いきや、朝には雨が上がり無事に収穫祭を迎えることができました。いつものことながら、「晴れの国おかやま」の威力には驚かされます。地元民の間では、岡山の天気予報で「晴れときどき雨」は、「晴れと同じ!」と言われているくらいなんですよw

生産者、消費者、流通業者に加工業者、そしてJA・NPO関係者。今年も栽培に関わったすべての分野の人たちが集まってくださいました。この収穫祭は、稲刈りをすることが大きな目的なのではなく、皆で今年一年無事に米づくりをすることができたことに対する、自然への感謝や畏敬の念を、もう一度確認し合う区切りの日です。

式次第です。「四、祈誓の式」の項目では、皆でこんなメッセージを唱和します。
天地の恵みと多くの人の働きに感謝して、今年の稲を謹んで刈り取りさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
特定の宗派や祭主を招くこともなく、お米とお酒とお塩を祭壇に置き、皆で田んぼに向かって一礼をするだけの、シンプルな儀式。宗教的に変に偏り過ぎず、かといって、大いなるものへの畏敬の念を忘れてはおらず、こうした感覚を持つことは、人間が自然の中の一部であり、謙虚でいることを忘れないようにするために大切なことではないでしょうか。
お米は稲が稔らせてくれました。いつも木村さんが講演や本などでメッセージしている言葉です。
その稲を育んでくれたのは田んぼです。農家の皆さん、田んぼにちゃんとお礼をなさいましたか?^^

田んぼの神様にも、お酒を飲んでいただきましょう~♪杜氏自ら田んぼにお酒を!
杜氏である菊池酒造5代目、菊池 東氏。当会の副理事長でもあります。菊池は、杜氏・経営者である一方、なんと倉敷管弦楽団の指揮者でもあるんです。菊池酒造のお酒はモーツァルトを聴いているお酒なんですよ。繊細でやさしい味わいのある「奇跡のお酒」は、多才な杜氏のなせるわざですね。



雨で地盤がゆるくなっているため重い機械は入れられないので、今年は鎌で形だけの手刈りをしました。一人が刈り始めると、農家の血が騒いだのか、「俺にも鎌貸して!」とばかり、田んぼに入って一緒に刈り取りを始めてくださった生産者Sさん。(一番右)Sさんの田んぼはいつもキレイで、畑の野菜もピカピカ。いつも最新の農機具を集めたくなっちゃうそうで、岡山県下で一番に田植え機を個人導入され、当時カタログ撮影に使われたのですって^^

収穫祭が終わると、懇親会スタート!岡山の美味しいもの代表バラ寿司をいただきながら、この一年を振り返り、おしゃべりに花が咲きました。
話題はやはり、このたびの台風やウンカ被害。「そっちはどうでした?」「ウチは無事」「ウチもなんともなかったんよ」皆さん、ご近所から注目の的だそうです!

ただし、前回の報告の後に、一部ウンカにやられた圃場も出てきました。じつは、収穫祭が行われたこの圃場もやられました。しかし、これらの原因はほぼ特定できています。本来の自然栽培の考え方から少し逸脱しただけで、田んぼは繊細に私たちへメッセージを送ってきたことがわかりました。
ウンカが来た圃場、無事だった圃場それぞれの条件を集約して、最終的な考察の結果は、まずは次年度取り組んでくださる生産者さんへシェアできるようにしたいと思っています。

この日は非常に多くの有意義な話題が出ました。
JAさんが、すべての栽培法はある一つのベースから枝分かれしているにすぎないこと、大切な根本が一緒であることをお話してくださったり、有機栽培を指導する立場にあった先生が、自然栽培へ方向転換した際のいきさつ、有機栽培が確立されるまでの経緯と限界、それらを反省として、今後の自然栽培のあるべき方向性について語る場面もあったり、そのたびに皆さん真剣に耳を傾けていらっしゃいました。
慣行、有機、自然栽培が互いに敵同士ではないことを、実際に体感できるお話会となったように思います。
このほかにも、販売ルートの拡大計画などが発表され、NPOの認証が今後、益々ブランド化されパワーUPていくことが予定されています。
認証制度がパワーUPするお話のつづきは次のエントリーにて★