つづいて企業発表。当初は、もっとたくさんの企業の皆さんからお話をいただこうと打ち合わせをしていたのですが、タイムテーブルがキツキツに埋まってしまい、どうしよう!?と頭を悩ませた実行委員会。
「企業発表は見方を変えれば、自社の宣伝をしているようなもの。当日は恐らく、自然栽培をやりたい人、自然栽培がどんなものかを知りたい人が集まると思う。お客様が本当に知りたいこと、聞いてみたいことを考えて、ここは一つ、営利企業である我々は一律皆、表に出ないことにしましょう」副理事長で、「奇跡のお酒」を造る菊池酒造株式会社代表 菊池の一言でまとまり、登壇者は3名に絞られました。

最初に個人養蜂家の奥村さんにお話いただきました。奥村さんは別に事業をされているのですが、残るこれからの人生、みんなが幸せに、楽しく過ごせるようになるためにはまず、健康が大切!と考えるようになったのだそうです。このため、いろんな健康食品やグッズを試したそうなのですが、試していくうちに、どんな高価なサプリメントや機材よりも、自然の摂理に沿って丁寧に育まれた食品に勝るものはないという思いに至ったとのこと。
中でも、ハチミツ――蜜蜂が花の蜜を巣に持ち帰り、自ら体内酵素によって加工するハチミツは特に素晴らしいと、奥村さんは養蜂を勉強し始めたそうです。高価なサプリメントを飲むくらいなら、スプーン1杯のハチミツがいいですよ!と奥村さんはおっしゃいます。
奥村さんは大変博識で、たくさんの書物をお読みになっています。木村さんの本もお読みになり、非常に感銘を受けたそうです。木村さんの講演会へ出かけた奥村さんは、会場でナント、木村さんと二人だけになる時間があったのだそうです。「あの…木村さん。木村さんのリンゴ園に養蜂箱を置かせてもらうわけにはいきませんか?」勇気を出してお尋ねすると、木村さんは「うん、いいよ!」とアッサリ承諾(笑)
ちょうど、それまで木村さんのリンゴ園に養蜂箱を置いていらした方がお辞めになったばかりで、木村さんは受粉をどうしようか…と思案していたところだったのだそうです。これはなんとも、運命というか、普通なかなか木村さんには会えないのに、お話まで出来たなんて凄いタイミング!

ここでまた不思議なご縁なのですが、奥村さんが木村さんとお話した講演会には、当会のメンバーも行っていました。講演会が終わった帰り、メンバー乗り合わせの車にあぶれてしまった理事の山田が、駐車場にポツン…と残されてしまったのです。そこを奥村さんが見つけます。それで山田を車に乗せてくださったのだそうです。その車の道中で、山田がレンゲが自生したことを話したところ、奥村さんが倉敷の圃場へレンゲを見に来てくださったのです。こうして、木村さん~奥村さん~NPO…というご縁がつながりました。
ハチミツの中でも、レンゲのハチミツは最高級品として販売されています。
レンゲは、水はけと湿度のバランスが保たれ、様々な条件を満たしていないと、自生することはできません。人工的な手の加わっていないレンゲの蜜は本当に貴重だ!と奥村さん。
「自然栽培では、レンゲを緑肥としないので枯れるまで置いてくれます。そのおかげで、蜜蜂達は心ゆくまで蜜を採ることができ、農薬もないので次々と自然分封して、蜂がどんどん元気になってるんです!」

「しかもこのレンゲは、ほかのどの地域とも違って、温暖な岡山の自然栽培圃場だからこそ可能な条件が揃っているんです!これって凄いことですよ!」と奥村さんは強調します。整理してみると…
・雪深い寒冷地と異なり、暖地で冬の時期からレンゲが芽を出しじっくり生長できる。
・自然栽培ではレンゲを緑肥としないので早くから耕さない。
晩生品種の「朝日」を植えるので田植えも遅い。
このため、枯れるギリギリの時期まで、長い期間レンゲは咲き続けられる。
・肥料・農薬のない圃場のレンゲなので、蜜蜂がちゃんと帰巣する。
(蜜蜂は少しでも自分に異物が付着すると、巣へ帰らないといわれています)
・レンゲがこぼれ種による実生繁殖なので、根が土中深く入り、ミネラルたっぷりのハチミツになる。
昨年、奥村さんに試験的に養蜂箱を設置してもらい、ハチミツを採取していただいたのですが、実行委員会内部でテイスティングしたところ、これまでのハチミツでは考えられない、エグミのない素晴らしい美味しさで、全員目を丸くしました。理事長の高橋は「これは自然からの贈り物だ!皆さんともシェアしないと!」ともう、このハチミツに夢中です(笑)

そこで、当会では平成26年度に行う計画の一つとして、
『ハチミツプロジェクト』
をスタートすることになりました(^^)/
申請圃場のうち、自然栽培のバランスに近づきレンゲが自生した場合、希望される生産者さんからのお申し出により、養蜂箱を設置します。採れたハチミツが販売可能な数量になりましたら、NPO会員の皆様に優先販売いたします。収益の一部は生産者さんへも還元されます。(レンゲの生え方でハッキリわかりますので、種は故意に蒔かないでくださいね。認証まで取消しになっちゃいますので・笑)
プロジェクトの参加条件などがありますので、詳しくは、3月にかけて開催予定のJA別説明会(※)にてお話させていただきます。「俺んち、レンゲの芽が出てるぞ」という方はぜひお申し出ください。
(※)JA別説明会は、継続生産者さんと新規で生産者申込みを出されている方へ、個別に案内状をお送りします。只今、各JAと日程調整しており準備中ですので、案内が届くまでしばらくお待ちください。