成果報告会のご報告(6)木村秋則さん編

「木村さんはまだー!?」…とお待ちかねの木村秋則ファンの皆さま、お待たせしました(笑)

木村さんには、最後のトリとしてご登場いただきました!

マネージャーさんのお話によると、木村さんは今回の成果報告会の内容を大変喜んでくださったそうで、とても嬉しそうに弘前へお帰りになったとのこと^^ 岡山での講話でも、とても熱のこもったお話をしてくださいました。

木村さんは日本発の自然栽培を、今後は海外へも発信したいという想いを持っていらっしゃるそうです。そのためにも机上の空論にならないよう、国内の私たちが実践を積み重ねていくことが益々重要になってきますね!

現在、木村さんに師事しながら取り組みを進めている人たちが、点から線へとつながり始めています。取り組みの中で経済的な基盤はまだこれから…という人たちは多く、生産者を支える消費者、流通業者の力が益々必要とされています。せっかく作れても、売れなければ実践が広がらない…というジレンマに皆さんご苦労されています。(木村さんは、リンゴが完成するまでに約10年、そのリンゴが売れるようになるまでに、さらに10年を要しました)

幸いにも、当会はNPO設立時に生産者×消費者×流通業者という3者をつないだ形で、最初に" しくみ作り " から入ったのが功を奏したのか、早い段階で点→線→面…という形が見え始めてきています。

「買って喜び」×「作って喜ぶ」=感謝とやりがいの交換 ――理事長の高橋はこれを常々「互酬制」と呼んでいます。

 

スクリーンの前にまで出て熱心に解説をする木村さん 迫力ありました!
スクリーンの前にまで出て熱心に解説をする木村さん 迫力ありました!

木村さんは、実践面のお話もしてくださいました。

「自然栽培がうまくいかない人はほぼ、『土を掘って温度を測ってみてください』という私の話を聞かないで、土の温度を測っておられません」と仰っていました。ドキッ☆とした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まずは土を知ることから ――講演会だけでなく、木村さんの本には必ずといっていいほど土を掘って温度を測る、と書かれてあります。木村さんの本は、自然栽培の実践を深めれば深めるほど、理解していたつもりでも「ああ!こういうことだったのか!」と新たな発見を見出すことができます。ぜひ何度も読み返してみてください。ちょうど冬は植物が休眠している季節。植物へのダメージが小さくて済みますので、ぜひ土を掘ってみてくださいね。

理事長 高橋 啓一
理事長 高橋 啓一
副理事長 菊池 東
副理事長 菊池 東

30分の木村さんの駆け足でのお話が済み、会の最後には今年度のNPOの活動計画について発表。

中でも、次の2つを新たに始めていくことが決定しています。

・ハチミツプロジェクト

・自然栽培によるブドウ栽培⇒ワインプロジェクト

 

ワインプロジェクトについては、各メディアにも大きく取り上げられ注目を集めていますが、今のところ試験的な段階で、最適な圃場や品種の選定、生産者育成について慎重に進めているところで、広く生産者募集をするまでに至っておりません。(桃についても同様に、少しずつ着実な歩みを進めています)どうぞ長い目で見守っていただければと思います。

 


会終了後は、なかなか実現できずにいたことがようやく叶いました。それは木村さんと生産者の皆さんとの集合写真の撮影。

私心のないお米一粒一粒を提供してくれた農家の皆さん。名が知れることもなく、自ら宣伝することもなく、黙々と真面目に働いている人達の見えない力に、私たちは支えられています。こうした人達にこそ、ちゃんと木村さんとみんなで記念撮影をしていただきたい。みんなの力を合わせて自然栽培のお米が集まった喜びを、木村さんに直接伝えていただきたい。そんな想いを木村さんが受け止め、撮影をご快諾くださいました。

 

いつもNPOを応援してくれているJAの担当者さんが、集合写真を見て感激したとメールをくれました。

 

全員の写真、木村さんの笑顔が皆さんにのりうつっているようです。普通、農家さんでこんな笑顔見たことがない。自然栽培に取り組む農家だからこそ、自信と希望の笑顔ではないでしょうか!(嬉しいことです。) 

私たちは実績を積み重ねていくこと。農家と消費者のつながりを大切にすることです。ただそれだけで良いのではないでしょうか。『百聞は一見にしかず、・・・百行は一果にしかず』です。成果が出るまでやり続けること・・・・頑張りましょう」
 
私たちスタッフは、いつもこのJAさんの言葉に励まされています。
まだまだすべてのJAさんがこのように協力的なのではなく、いろいろな立場やお考えをお持ちの方はいらっしゃいます。ごく自然なことで、よく理解できます。これからも敵対するのではなく、多様な考えを理解し合えるよう、自然栽培もその多様な考え中の一つにすぎないことを理解していただけるよう、私たちは今年も小さな実践を積み重ねていこうと考えています。
 

こちらはサービスショット!?

報告会翌日、試験的に栽培している桃の苗木を木村さんに剪定していただきました。目を閉じて、何かをイメージしながら歌うように木と向かい合う木村さん。手品みたいにあっという間に鋏を入れました。

剪定されたあとの桃の木は、スッキリと枝姿が整い、気持ちよさげでしたよ。

「今年はこの木、5つくらい実が生るよ!」木村さんはもう、春や夏のことが見えているようです(^^)/