お田植え祭、ありがとうございます!

前の晩から雨。天気予報でもお田植え祭当日はあいにくのお天気… と思っていましたが、そこはやはり、晴れの国おかやま!見事に雨があがり、涼やかな気持ちのよい風の吹く中で無事にお田植え祭を迎えることができました!

今年も生産者、消費者、ユーザー、JA全農関係者、メディアの方、たくさんの皆さんにご来場いただきました。東京や兵庫からもお越しくださった方も。遠くからありがとうございます。
しかしこうして写真を見ると、ほとんどの人が傘や雨具なしでご来場されていますね~さすがは岡山県人!(岡山県民は、天気予報で少々の雨の情報なら「そりゃ降らんわ」といって傘を持たずに外出しますwそしてホントに降りませんw)

メジャー持参!
メジャー持参!
根がびっしり!
根がびっしり!

育苗話で盛り上がる。来場者のみの役得です♪
育苗話で盛り上がる。来場者のみの役得です♪

当会自慢の朝日の苗。籾殻くん炭と無肥料の土のみで作られています。通常よりも10日ほど長い50日前後の期間、ゆっくりじっくり育苗します。軽いので苗箱の持ち運びも楽で、生産者の皆さんからも「腰が痛ぉのーてええわ~」と大変喜ばれています^^

この籾殻くん炭を利用した育苗方法は理事の山田が発案したもので、木村秋則さんが初めて見た際、非常に高く評価され、全国の講演で紹介してくださいました。 この方法を見たいがために、毎年遠方からもたくさんの農家の方が視察にいらっしゃり、だんだん各地でも採用されているようです。

 

今年はどの栽培に限らず、苗の生長が思わしくないとか。JA担当者さんからも注意喚起をしたとのことで情報をいただきました。慣行も有機も自然栽培も、 手法が違うだけで作物を育てる考え方・ベースは一緒なので、こうしたときにいろいろな栽培情報が交換できるのは、JAさんとの協働の賜物です。

参加者全員で豊穣と農作業の無事を祈念して「田の神様、よろしくお願いします」と唱和をしました。長々と偉い人のお話が云々…なんてことはなく、シンプルあっさりなのが当会のお田植え式です^^

今年もデモンストレーションは山田がさせていただきました。

ここから先は、水量調整がキモです!
ここから先は、水量調整がキモです!

自然栽培ではおなじみ、疎植にします。苗は1~2本植え。こうすることで、生長初期~中期にかけて地上部は風通しよく 葉が分けつし、地下部では根が縦横無尽に伸びます。土中で稲の根がしっかり根付きさえすれば、イネ科は強いのでほかの草に負けることはありません。

除草の問題については、「農業ルネッサンス」最新号(vol.9)の熊田浩生さんの連載に、大変有効な記事が掲載されていますので、よろしければ入手してみてください。

スカスカになって恥ずかしいと思いさえしなければ、欠株も放っておいて大丈夫。後植えもしません。代わりに周囲の苗が驚くほど分けつし、最終的な収量はつじつまがピタリと合います。朝日の力強さがここにあります(*^-°)v

こちらは1週間ほど前に田植えが済んだ慣行の田んぼです。普通はこのように束になった苗をこれくらいのピッチで植えていくんですよ。自然栽培がいかにスカスカか分かりますね。自然栽培に切り替えたばかりの方も「こんなにスカスカじゃ恥ずかしいわ…」と最初は思うんです。最初は…ね^^ たくさん苗を作らなくてもいいのも、自然栽培の良さでしょうか(笑)

 

 

お田植え祭も無事に終了し、お楽しみの早苗饗!
生産者と消費者との交流会です。ここへJA全農関係者や、ユーザーと呼ばれる加工流通業者までもが集まるので、「JAが!?すごい!」「とても素敵!」「岡山が羨ましい!」といつもお褒めいただいています^^

 

よりいい作物を作ろうと立ち上がった農家。プロ意識に徹しているJA全農関係者と流通業者。食への意識の高いお客様。田んぼ~流通~食卓まで、介在する人みんなが集まって、お互いの苦労話や、仕事に関する専門的な情報の交換が繰り広げられています。これもトレサビリティーの確認の一つかも知れませんね。

 

そしてこの場に共通するのは、「環境のために」「健康のために」「大切な家族のために」―立場が違っていても、みんなの想いは同じということなんですね。

大阪府木村式自然栽培実行委員会の稲田さんから嬉しいお話が。現在、大阪でいくつかの幼稚園の米飯給食に当会の朝日を採用していただいているのですが、「月を追うごとに、最初の契約数量よりも『もう少し、もう少し』ってご注文が増えるんです。どうしてかな?とお聞きしましたら、子ども達がおかずを食べた後でも『ご飯が美味しい!』と次々おかわりするからなんです」とのこと。これにはもう、生産者の皆さんの相好がゆるみっぱなし。すごーーーく嬉しそうでした!(筆者もw)

もう一つ、嬉しい光景を。

田んぼの確保をするのに時間がかかり、今年ようやく晴れて当会へお入りくださった生産者さん。ハラハラしながら初めて苗を育て、先日田植えをしたばかりなのだそうです。「これから除草や水の管理が不安です…」とお話になると、周囲の先輩農家の皆さんから一斉に「大丈夫、大丈夫!」「稲が育ちゃぁ、草やこ平気よ!」「(除草用の)チェーンは何センチくらいのを作ったん?」と温かな声がかかっていました。経験を積む生産者さんたちが、どんどん頼もしくなっていく様子が嬉しくてたまりません。依存から共存へ―NPOの出る幕がなくなることが、NPOのミッションなのかも知れません^^

 

今年も栽培面積・人数共に増え、約43ha、87戸の生産者さん(計画)が岡山で木村式自然栽培をスタートさせます。皆さんのための幸せなお米が無事稔りますように!