
11月8日、木村さんを講師にお迎えしての果樹剪定指導会を開催しました。木村さんがご講演のための移動中に岡山へお立ち寄りくださることになり、急遽決定した企画です。
現在木村式自然栽培のぶどう生産者の申請をしている方へ向けて、木村さんから直々にお話を聞いていただくことで「これならやれそうだ!」と安心してもらいたい、
また、日頃からご尽力いただいているお米の生産者の皆さんにも、木村さんに直接レクチャーを受けていただきたい…このような趣旨で開催されました。当日はJA関係者含め約50名が参加しました。
そしてこの日は偶然にも木村さんの65歳のお誕生日!現地へ登場なさった木村さんを、参加者の皆さんで一斉にクラッカーを鳴らして歓迎。
Happy Birthday (*゚▽゚)_∠※☆PAN!
木村さん、とても喜んでくださいました(^^)


剪定はこちらのぶどうの苗木で行いました。NPOでは、すでに数年前からワインプロジェクトを想定して、ぶどうの苗木を植えて試作を進めています。ぶどうはツル性植物なので、夏の間にしっかりツルが伸びています。さて、これを木村さんはどう剪定されるのでしょうか…!?




モジャモジャだったのに、こんなにスッキリしました。
木村さん、丁寧にゆっくりと枝や芽を触りながらお話していたかと思うと、ハサミを持った途端、何のためらいもなくサクサクっと魔法のように枝をお切りになりました。その鮮やかなこと!皆さん、シーンとして見入っていらっしゃいました。
木村さん曰く、本当はもう少し寒くなって葉が落ち、木が休眠しているときに剪定しないといけないそうで、今回は仕方なくハサミを入れたとのこと。「来年、この木に生るぶどうはあんまり美味しくありません。アッアッアッ(笑)」…と笑っていらっしゃいました。
嬉しかったのは、集まった皆さんが真剣に栽培について耳を傾けていらした姿です。カメラを向ける先も木村さんではなく、剪定された苗木。…木村さんをタレント扱いにしたり、ミーハー気分で集まったりしていないのです。ツーショット写真やサインをねだる人も皆無でした。質問も栽培に関すること。
木村さんを自然栽培の大先輩あるいは仲間として慕い、敬意を払っていました。木村さんが求めているのは、木村信者、自然栽培信者なのではなく、より良い農業を一緒に考え実践していく仲間なんです。このため私たちは、木村さんのことを敢えて「先生」とは呼んでいません。このWebサイトでもすべてそのように表記しています。

さて、場所を屋内に移動して、木村さんの講話と質疑応答の時間も設けました。お話の内容は、果樹にしても稲にしても、とにかく作物が居心地よくなるための環境づくりに徹すること。果樹なら主幹を大切に、稲・野菜なら根を大切に、エネルギーの流れがスムーズになるようにする。その助けとなる微生物にとっても居心地よくなるような土づくり。これに尽きるようです。

こうした内容は、すでにこれまでに何度も木村さんから発信されていることですが、私たちはまだ徹底していないようです。やっていると思っていても、「やっているつもり」になっていただけなんだな… これが率直な感想でした。原因はまず自分にあると考える。まだまだ工夫が必要です。岡山はまた、宿題をいただきました。





やはりお味はまだこれから…といった感じのようです。
使用したぶどうも、無農薬・無施肥で栽培されたものの、ジベレリン処理(種なしぶどうになるよう、薬品処理すること)はされていたので、ぶどうについてもこれからですね。
木村さんは、瓶や栓、保管方法まで細やかなアイデアをお持ちです。これは何としても、誠実なぶどうを作って、ワインの醸造もご指導いただかなくては!
木村さんは以前、南フランスでぶどう栽培のご指導をされたことがあるそうで、その土地で収穫されたぶどうのワインは、ロンドンオリンピックの際、エリザベス女王主催の晩餐会でゲストへ振舞われたのですって!
東京オリンピックで採用してもらえないかな… (//∇//)
(妄想中・笑)

TPP、グローバル化といった世界の波が押し寄せ、国内でも自然災害、経済の混乱など様々なことが起きている今だからこそ、しっかり地に足をつけて、日本にしかできない日本ならではのオリジナルを確立することが必要のように思います。自然栽培が一過性のブームで終わることがないよう、しっかり土と向き合い、より良い生産物を作り、一つの産業として確立していきたいものですね。今回も木村さんの笑顔にたくさんの元気をいただきました。NPOはすでに、来年へ向けての準備が始まっています(^^)