成果報告会レポート(1)生産者体験発表

おかげさまで、成果報告会を無事に終えることができました!

ご来場いただきました皆様、ご登壇された皆様、ありがとうございます。

【新たなスタートを切ったNPO】

設立5年を過ぎ6年目を迎えた今年度の方針の一つは、木村秋則さんのネームバリューにいつまでも寄り掛からない…ということ。販売しているお米やお酒のパッケージをご覧の方の中には、既にお気づきでしょうか。ラベルに木村さんの顔写真が少しずつ消えているんです。木村さんの顔写真がなくても、中身がホンモノであればちゃんと受け入れていただける。NPOはいずれ自立をしなくてはいけない――このような考えは以前からあり、このWebサイトやFacebook にも、木村さんの顔写真を大きくTOPページやカバー写真に使用することは最初からしていませんでした。

 

今回の成果報告会もそのような考えで、木村さんの自然栽培の考えに賛同し集まった仲間のみでプログラムを組みました。新たなスタートにふさわしく、ご来賓にお迎えしたのは伊東香織市長。伊東市長は、NPO設立された記念イベントでも駆けつけてくださっています。今回も力強いエールを送っていただきました。伊東市長、ご来場ありがとうございます!

 


【農福連携】佐伯康人氏の講話

ニコが「是非この方をゲストにお迎えして皆さんにお話を聞いて欲しい!」とお願いして実現したのが、「パーソナルアシスタント青空」代表の佐伯 康人さん。「農福連携」(農業×福祉)の第一人者で、障がい者雇用の実現・自立支援を目指して農業法人を設立。木村さんに師事していらっしゃいます。


佐伯さんの手掛けている「農福連携」で素晴らしいのは、農業の仕事を下請けではなく、適正な価格で請けている点。障がい者の方たちに自然栽培による農業に従事してもらい、付加価値の高い作物を流通させることで、自立してもらおうとしています。障がい者と農業はかなり相性がよいそうです。虫の捕獲や除草といった細かい農作業は得意とする分野。実際、パーソナルアシスタント青空の皆さんは、とても楽しそうに農作業をしていらっしゃいます。このような取り組みが評価を得、先ごろ佐伯さんは、障がい者支援に貢献している個人に贈られるヤマト福祉財団の「小倉昌男賞」を受賞されました。


今回、佐伯さんには、木村さんの全国行脚に同行された際に見聞した全国の自然栽培生産者の動向や、ご自身の手がける農福連携の現状についてお話いただきました。なお後日談として、当会とパーソナルアシスタント青空の皆さんとのコラボレーション企画が決定しました!どのような内容になっていくか、今後の展開をどうぞお楽しみに!

 


【生産者体験発表】

毎年好評の生産者体験発表。登壇者について、これまでは「自然栽培、やろうかな…どうしようかな…」と迷っている人達の背中を押す、どちらかというと初心者向けの人選だったのですが、登録生産者が90戸近くになり、今年度はさらに申込者数が増えているので(!)、今回は取組年数の長い方を中心に人選。パワーポイントでグラフや数値を算出して発表してくださる方もあり、すでに栽培をしている生産者さんの即戦力となるような内容だったので、大変喜ばれていたようです。
発表の中で、「私たちは米を作っている」のではなく、「育てている」という気持ちを持とうという話が出ていたのが大変印象的でした。

 

このほか、県南を中心に起こっているジャンボタニシによる食害ついても、元JA・県農水部で当会顧問のK氏からも対策の考え方を提案していただきました。木村さんは「草も虫も、意味があって出現している。悪い存在ではない」と仰っています。動物との共生は、今後も大切なテーマとしていきたい点です。

 

ところで、今年度は大型農家の新規申し込みが相次いでいます。一度JAから離れた農家の方が、この取り組みに可能性を見出し、再び輪の中へお戻りいただけることは、これからの農業を見直す大きな求心力となっていくように思います。会場には、JA職員の方々も大勢お越しくださっていました。岡山県下のJA・全農グループの皆様と連携しながら、大型農家・小規模農家そのどちらもが「やってよかった」と感じていただけるよう、NPOも邁進しなくてはと強く感じました。

 (レポートつづく