ワインプロジェクト、木村さんの想い

ワインプロジェクト懇談会の翌日は、大阪の清風学園での講演会でした。

この講演会は、清風学園の保護者の方が大半でしたが、反響がすごかったようです。「我が子に食べさせているものがどんなものか知らなかった」「自然栽培、初めて知りました!」と保護者の皆さん、カルチャーショックだったとのこと。

 

学園関係者の方が「講演が終わってからも興奮が冷めないのか、皆さん会場を立たずにその場に残ってお話されているんです」「翌日から『あの米はどこで買えるのか?』『ぜひ自然栽培を応援したい!』と電話が鳴りっぱなしです!」とお知らせくださいました。


「私どもは、食堂で利益を上げる気はまったくありません。生徒たちのためにも、ぜひよいお米を作ってください!」と嬉しいメッセージも合わせて頂きました。生徒さんの心と身体のことを考えて、自然栽培の導入をお決めになった清風学園さん、素晴らしいですね!

 

当会へも会員のお申込みをいただいております。今年度の収穫も間近となっています。当会の朝日米をお求めになるのに会員特典をご利用になりたい方は、まだ間に合いますので、この機会にご検討ください。

大阪府木村式自然栽培実行委員会さんでも会員を募集中です。Facebook のアカウントをお持ちの方は、大阪実行委員会さんのFacebookもぜひ覧ください。

https://www.facebook.com/shizensaibai.osaka/posts/850038608425703

 


さて、前回のつづきです。

木村さんとぶどう生産者との懇談会は、場所を移動して座学の時間へ。

弊会理事長 高橋からの挨拶のあと、さっそく木村さんからのお話が始まりました。

まず、木村さん自らの構想である、このたびのワインプロジェクトの概要について簡単に…


 ●木村式自然栽培によるぶどうのみを原料にしたワイン。

  酸化防止剤なし。木村さんが独自に考案した醸造方法でワインを造る。

 ●ぶどうは1本仕立て。棚にしない。収量が減ると思われがちだが、逆に増える。


木村さんは以前、南フランスのとあるぶどう農場で、栽培からワイン醸造までを指導したことがあるそうです。このときに完成したワインは上出来で、ロンドンオリンピックのある晩餐会でも採用された実績があるのだとか。今も様々な国から木村さんに指導のオファーが来ているそうですが、現在では「まずは日本が先駆者となるべき」との考えで、すべてお断りしているそうです。技術流出を避け、国内の知的財産の保護をお考えのようです。

(これから学ぶ立場である参加者の皆さんも、安易な発言はしないよう、慎重にね…!)

栽培については、何をおいてもまずは「水はけ」を大切に!とのお話でした。

そのためにどのような農作業を行うか、絵や図を描きながら説明してくださる木村さん。生産者の皆さんも熱心に聞き入っています。シーンとしているのに、熱気がすごい!

質疑応答の時間もたっぷり取られ、生産者の皆さんからのいろいろな悩みについて回答していただきました。やはりそれらも「水はけ」が何等かの解決につながるものばかり。

とにかく、ポイントは「水はけ」だ!!

…というわけで、具体的なお話を公開できなくて申し訳ないのですが、このプロジェクトの主旨をどうかご理解ください。 m(_ _)m

こうして、無事に懇談会は終わりました。生産者の皆さんの高揚した表情に、モチベーションUPしたことが伺えました。きっと皆さん、さっそく自分の圃場へ戻って作業に入ったことと思います。

 

毎回、「ウチの生産者さんはいいなぁ」と思うことの一つなのですが、会終了後に、ここぞとばかりに木村さんに2ショット写真やサインをねだって群がる人がいないこと。木村さんを芸能人や何かの教祖のように接さず、自然栽培をする「仲間」「先輩」として、とても良い距離感でそっと木村さんを見ていることなんです。

 

木村さんは優しい方なので、いろいろな人の様々な想いを真面目に受け止めようとされる様子があります。全国各地を訪れ、時にはお疲れになることもあるのではないでしょうか。この日集まった皆さんは、そうした点でも何もアナウンスしていないのにちゃんと配慮してくださる雰囲気がありました。おかげで、木村さんも終始リラックスして楽しそうにご指導くださいました。

 

これは、栽培についても心に留めておきたい姿勢ではないでしょうか。作物の立場に立って思いやり、「何をするか」ではなく「何をしないように配慮するべきか」と考えること。自分の「○○したい」という欲望を優先させる前に、そうすることで相手がどんな気持ちになるか?と想像してみること。

栽培のHow to よりも何よりも、まずはそこから・・そんな気がします。