「大事にしような」

とても嬉しい話を伺ったので、皆様ぜひ聞いてください。

写真は昨年度の巡回の様子
写真は昨年度の巡回の様子

昨年、新しく入会された生産者Nさん。長く稲作をしてきた方だったので、植えたかコケたかわからないような一本植えの苗や、草ぼうぼうの田んぼを見て、周囲の人たちは「とうとうあの人もおかしなことを始めたな…」と遠巻きに見ていたそうです。

 

それが、日に日に苗が元気になり分けつし、周辺の稲と遜色ない様子に目を丸くして、Nさんが田んぼに出てくると皆さんも「凄いなぁ!」「よぅ出来たなぁ!」と興味深げに集まって来るようになったのだとか。

 

当のNさんも、「何の資材も使わずにこれだけ出来て、NPOに高値で買い取ってもらえて、私だけこんなにいい目にあっていたらバチが当たる」と思い、皆さんを誘ってくださったのだそうです。今、このエリアはちょっとした自然栽培エリアと化しつつあります。そして、皆さんがこんなことを言い始めているのだそうです。

 

 

「大事にしような」

 

 

こんなに素晴らしい栽培方法なのだから、一人でもズルをすれば、これまでの信用がすべてゼロになる。お互いにルールをきちんと守ろう。この動きを大事にしよう。・・・と。

 

NPOが厳しく規約を掲げざるを得ないケースが起きるたび、私どもは憤懣やるかたなく悲しい想いに襲われてきました。それでは誰も幸せになれません。「他律」ではなく、「自律」の機運が高まりつつあります。日本人が持っているはずの何よりの美徳だと思います。それは私たちNPOが何よりも願ってきたこと。

 

そんなふうに思ってくださる皆さんをこそ、大事にしたいと思います。

成果報告会、ますます楽しみになってまいりました!