成果報告会レポート<3>

会の後半は、県内の支援ユーザー、大阪府木村式自然栽培実行委員会、そしてお米の精米や袋詰めなどし“ 商品 ” として調整してくださっている岡山パールライスの方にお話していただきました。

 

「奇跡のお酒」を造ってくださっている菊池酒造株式会社さんは、NPO設立当初から関わり、杜氏の菊池 東 代表は副理事長も努めています。本当にお米が実るのかどうかさえ分からなかった1年目から参画し、初めてお酒を造るというのは、まさしく「賭け」だったと思います。それが今では、国内で数々の賞を受賞し、有名デパートでの取引だけでなく、海外へも進出しています。岡山で育まれた味が、海外でも称賛を浴びていることが嬉しいですね。

ニューヨークでは、高値で取り引きされているという「奇跡のお酒」。菊池社長は、「適正価格という意味では、あまり高すぎるのもどうかと思っています。一気に人気が出てブームになるのではなくて、ロングランで飲まれるお酒になって欲しい」とのこと。


この取り組みは、メディアの目にも度々留まるようになってきました。現在発売中の雑誌「男の隠れ家」2016年3月号は、『地元で愛される老舗酒造と旨い酒』の特集。この誌面に、8ページにも渡って菊池酒造さんが取り上げられました!ぜひお手に取ってみてください。

 

『自然に学ぶ味噌づくり』のまるみ麹本店さんも、今や県外からもオファーが絶えない人気店です。総社市美袋という静かな田舎町で、決してアクセスのよい立地というわけではないのに、あちこちから引っ張りだこ!当会とのコラボイベント、「味噌づくりワークショップ&工場見学」は、一週間も経たないうちに定員に達してしまいました。山辺代表のお話を伺っていると、堅実な販売を基盤にしつつも、吉野杉の樽を購入したり、積極的にイベントへ参加したり、思い切りのよい投資を続けていらっしゃるのがわかります。当会へ参画されたこと自体も、そのひとつ。

 

健康志向の高い人のあいだで広がっている「発酵」「腸内フローラ」というキーワードがタイミングよく追い風となって、今やまるみ麹本店さんは、飛ぶ鳥落とす勢いです。

 

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このように、「他所が成功しているのを確認してから、自分もやってみる」というのではなく、「まずは自分から!」という心意気が、成功につながっているようにも見えます。

県内企業の方々にCSRもしっかり取り入れながら元気になっていただくというのも、当会の事業目的のひとつとなっていますので、こうしたユーザー企業が増えてくださるのはとても嬉しいこと。

 

理事長の髙橋は常々、「まずは先に出さないと、入ってはきません」といいます。

「皆さんに『深呼吸してみてください』と言うと、まず息を吸う人がほとんど。でも、本当は先に吐き出さないと、新しい空気は入ってきません。赤ちゃんは生まれてオギャーと泣くと同時に息を吐き出し、人生をスタートさせます。そして人生を終えるとき、人は息を引き取ります」

・・・なるほど。言い得て妙ですね。それが自然の動きというものでしょうか。

 

当会が所在する倉敷市には、倉敷紡績(クラボウ)、倉敷絹織(現在のクラレ)、中国合同銀行(中国銀行の前身)、中国水力電気会社(中国電力の前身)の社長を務め、大原美術館、大原奨農会農業研究所(現・岡山大学資源生物科学研究所)、大原社会問題研究所(現法政大学大原社会問題研究所)を設立するなど、社会・文化事業にも取り組み、倉敷の町を築き上げた、大原孫三郎という偉大な実業家がいます。

 

この大原氏も「仕事を始めるときには、10人のうち2、3人が賛成するときに始めなければいけない。1人でも賛成がないというのでは早すぎるが、10人のうち5人も賛成するようなときには、着手してもすでに手遅れだ。7、8人も賛成するようならば、もうやらない方が良い」と語っています。

 

“貰うこと” ばかり考え、“溜め込んで” いるが故に前に進めず、行き詰っているのが今の世の中。自然の動きにならって、「流れ」をよくしてみてはいかがでしょうか。「流れ」がよくなれば、「循環」が始まります(^▽^)/

つづく