今年も木村式自然栽培米「朝日」は順調に出穂しています(^_^)/
上空には赤トンボがものすごくたくさん飛んでいます!

こちらの田んぼの稲をフォーカスすると
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これが「朝日」だ!
どうでしょう、このぶっとい株!これで一株なんですよ。成人男性の両手でも掴めない太さ。
ものすごい分けつ力です。これが朝日の凄さなんです!!
これ、最初はたった1本の苗だったんですよ。

これが
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こうなる!
長年自然栽培の生態系について調査をしている弘前大学農学生命科学部の杉山修一教授は、2013年に講演で岡山へ来た際、西日本の自然栽培水稲圃場を見たのは当会の田んぼが初めてだったそうです。
「温暖な地方と寒い地方とでは、自然栽培のプロセスに違いがありそうです。栽培には留意した方がいいかも知れません」
「岡山が朝日米を持っていることは本当に奇跡のようなことですから、大切にしてください。朝日は岡山の宝ですよ。この品種の分けつ力には恐れ入りました!」
こうおっしゃって帰られています。在来種の朝日…惚れ惚れするような逞しさですね。

先日、当会は認証生産者の方から、とある集まりにお招きいただきました。
近隣にいる木村式自然栽培水稲生産者の皆さんが有志で集まり、情報交換会を開きたいとお申し出になったのです。NPOやJAに頼りきりではなく、自ら勉強したいという動きが現場から生まれるのは、とても嬉しいことですね(^^)
自分たちだけで話を進めていくと、ともすれば自然栽培の理念から逸脱して独り歩きをしかねません。(以前、自己解釈で作業を進めた結果、タイヘンなことになっちゃった方もいるのです・汗) 自分たちだけで先走らないで、こうして木村さんと密に連絡をとって情報を集めているNPOへもちゃんと声をかけてくださった生産者の皆さんの配慮、素晴らしいと思います。
今回は、ジャンボタニシの被害についての情報交換会でした。

隣の稲と稲との間が空いているでしょう?これ、ジャンボタニシに食べられて、スカスカになっているんです。

対話では、ジャンボタニシの被害にあっている田んぼ、隣にはジャンボタニシがいるのに畦一つ隔てただけで反対側にはいない田んぼ、いろいろな状況を報告。1反の田んぼの約1/3 を食べられ無くなってしまい、後植えしてもイタチごっこで諦めた、今年は3俵あるかないか・・と肩を落としている人がいるかと思えば、稲がある程度大きくなるとジャンボタニシはほかの草を食べてくれるので、除草に明け暮れなくて済んでいると喜んでいる人も。

熱い議論が交わされているものの、皆さん、あちこちでニコニコしているところにご注目。
そう、この場の雰囲気、すごーく明るく楽しそうだったんですよ(^^)


話は二手に分かれました。
ジャンボタニシを取り除くかVS そのまま共生するか
会場内では、いかにジャンボタニシを田んぼから無くすかについてのアイデアを出す人と、「その方法もいいけれど、私は今のままでしばらく様子を見るつもり」という人とに分かれていました。
こんなときNPOは、安易に「〇〇にしてください」と断定しません。(指導する場合もあります)生産者一人一人が、自然栽培について自分と向き合う大切な場面だからです。
悩んだとき、駆除するためにジャンボタニシの生態について調べる人、インターネットで検索しまくる人、「木村さんならどうするだろう」と、木村さんの著書を開いて木村イズムをもう一度紐解く人。そこからどんな行動を起こすか?また行動せずそのままズルズル月日が経ってしまうのか?… いろいろに分かれていくのではないでしょうか。
「そんな禅問答みたいな悠長なことを言ってられるか!わしらは生活がかかっとるんじゃ!」という人も出てくるでしょう。これも理解できます。(ただ、チョット短気かも…ネ^^; )
ここには、こんな背景が考えられると思いませんか。
① プロの農家として収量を優先したい。
→安定供給させ、できる限り多くの人に商品を届けるのが、農家としての責任だから。
→収量が多ければ、収入が増やせるから。(機械のローン返済があるんじゃ!)
→まずは安定供給ができないと、自然栽培を認めてもらえないから。
・・・①の中にも、様々な理由を持っている人がいると思います。
② 生態系や環境の保全を優先したい。
③ そのどちらもバランスよくできないか考えたい。
④ もうよくわからんから、テキトー(笑)←コレはもう少し頑張って欲しいデスネ
(⑤⑥…とほかにもあるかも)
どれを選択したかによって、その人が何を考えて自然栽培をしているのかが、ハッキリわかります。すべて圃場に表れます。NPOは、そこを見届けようとしています。
もちろん、どのような考えでおコメを作ろうと、NPOは優劣も差別もしません。肥料・農薬・除草剤を使用せず、当会のガイドラインを誠実に守っているおコメであれば、どれも買い取りし、生産者が自然栽培を継続することで真の自然栽培農家として成長し、自立するために支援します。

さて、こちらは木村さん自ら描いた、ハマキムシのイラストです。
リンゴの葉を食い尽くしてしまう、悪名高き虫。木村さんは来る日も来る日も、手で取っていたそうです。そのハマキムシも、今では木村さんのリンゴ園から姿を消したそうです。
そんなハマキムシを木村さんは自身の会社のマークにしています。
木村さんは、「あんなに憎んでいたハマキムシからすら、私は自然界がパーフェクトであることを学んだ。そのことを忘れないためにも、私はハマキムシをマークにしています」という趣旨のことをおっしゃっていました。このことから、当会では、用意する資料にはできるだけ「害虫」ではなく「虫」、「雑草」ではなく「草」とだけ、表記方法にもこだわっています。(気づいてました?^^)
さて、ジャンボタニシは私たちに何を教えてくれているのでしょうか。そもそも、なぜジャンボタニシがこんなにも殖え、田んぼにやってきているのか?根本から考えていますか?
そのままにしますか?取り除きますか?
あなたならどうしますか?