成果報告会のご報告(1)

ご報告が遅くなりましたが、1月29日開催の野口勲氏講演会と、平成28年度成果報告会はおかげさまで無事、盛会に終えることができました。

 

翌日には、さっそく山陽新聞へも掲載していただきました。

お田植祭、収穫祭、そして成果報告会…ことあるごとに山陽新聞社さんには取材にお越しいただき、応援していただいています。いつもありがとうございます。

 

記事をクリックしていただくと、大きくしてご覧になれますので、ぜひお読みください。


午前中の野口勲さんの講演会は、遠方からもたくさんの方がお越しになっていました。また農業関係者の姿も多く見られ、種の扱い=人々の食を司る、その影響の大きさはどれほどになるか、今の現状とこれからの対策についてお話くださいました。

 

3時間という長丁場だったにも関わらず、途中退席する人は誰もおらず、熱心に聞き入っていらっしゃる姿が印象的でした。また野口さんも体調がすぐれない中、情熱的なご講演をしていただき、ありがとうございます。

お昼をはさんで午後からは成果報告会。こちらも恒例行事となりましたね。

今回はご来賓として、JA岡山中央会より総合対策部長 嘉原様にお越しいただきました。農協改革について議論されている昨今。農協の事業目的に「農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならない」ことが明記されることになりましたが、「ここでなら、営農することができるかもしれない」との思いで当会へ参加される農家が増えていることに、JAさんも注目してくださっているのは、嬉しいことですね。

生産者の体験発表。トップバッターは、ほぼ常連となってくださっている、岡山県立興陽高等学校農業科の生徒の皆さん。

 

「この子たちの成長ぶりを見るのが楽しみで来ました」

「今年も興陽高校は出るんじゃろ?」

「大人顔負けじゃなぁ」

「将来が楽しみじゃなぁ」

 

と、ファンが増えている興陽高校さんです。先輩から後輩へと課題は受け継がれ、その努力や成果が認められ、平成28年度は酒米である雄町を栽培することにも許可が出ました。すごい!やりましたね!!今年も大変熱心な栽培と研究結果を発表してくださいました。彼らの発表のまとめは、自然栽培研究の第一人者 弘前大学の杉山修一先生へも提出予定です。

 

続いては、今岡山県内の自然栽培本拠地となりつつあるJA岡山管内の方からの発表。自然栽培の取組みとしてはまだ2年目の新人さんとなるわけですが、長年の農業経験・知識をベースに、ものすごい勢いで自然栽培を習得されています。発表ではジャンボタニシの苦労も披露されていましたが、終始ニコニコして解決の糸口はつかんでいらっしゃる様子です。

 

さらには「こんな素晴らしい農業を自分だけしているのは勿体ない」と、たくさんの仲間を誘って輪を広げてくださっています。「初年度は試しに1反だけしたけど、来年からは4町やるけんな!」と本気エンジンがかかっている仲間もいるとか(笑)

 

そして今、こちらのエリアでは自然栽培部会を立ち上げる話が浮上。JAとの話し合いが始まっています。生産部会が立ち上がるというのは、一定の基準をクリアしないと実現できないことで、これってすごいことなんですよ。ここまで生産者さんたちが主体的に成長してくださっていることに感謝し、私たちNPOはこれからもお世話役をがんばりたいと思います。

弘前大学人文学部教授の黄 孝春先生がまとめた、当会生産者対象のアンケート調査結果も発表されました。

支援ユーザー企業からは、大人気まるみ麹本店の山辺啓三社長。発酵ブームは一過性の流行に終わらず、今後も健康増進に寄与するコンテンツとして定着していくようです。そこへ自然栽培が絡むと、どうやら麹菌が喜んでくれるみたいですよ(^_^)/

NPO法人大阪府木村式自然栽培実行委員会 副理事長の杉本哲也さん。

豊かな国とされているこの日本国内で、今子ども達の「食の貧困」が心配されています。杉本さんのお話では、育児放棄をする保護者の増加で、学校給食でしか食事をとることのできない子どもが急増しているそうです。杉本さんは、このような子ども達のための炊き出し活動を行っていて、ゆくゆくは自然栽培の食材を子ども達のために提供し、心身ともに健全な成長を支援していきたいとの願いをお持ちになっています。

このような大阪での活動にいち早く賛同したのが、清風学園さん。

長年の教師生活の中で子ども達の異変に気付かれた平岡副校長先生は、食べ物の異変に注目されました。アレルギー、発達障害の急増。これらは複雑な要因が絡んでいますが、「食」に解決の糸口を見出そうとされています。

これと並行して、清風学園さんはオリンピック選手を多く輩出している学校としても有名です。「ぜひ自然栽培の食材を食べさせて、オリンピックで活躍する生徒を送り出したい!」ととても頼もしい宣言をしてくださいました。

岡山も責任重大ですね!今年もがんばります!!

 

(つづく