今年も恒例のほ場巡回が始まっています。

【なぜほ場巡回をするの?】
田植え後、苗は順調に生育しているか、畦や水の管理はどうか、トレーサビリティの一環としての認証看板はきちんと設置されているか・・等々、いくつかのチェック項目に沿って、ほ場確認を行っています。

「私たちは農家ではないので、お米をつくることができません。だから、NPO会員となって農家の皆さんを支援するので、自然栽培のお米をぜひつくってください。そして、お米ができたら、私たちへ売ってください」
これが、当NPOが契約栽培をスタートした趣旨です。
NPO会員となってくださる方は、
・自然栽培のお米を食べてみたい
・コシヒカリの祖先である「朝日米」を食べてみたい
・このお米なら身体に負担なく食べられるのかも‥と期待して
・自然栽培のお米を買うことで、間接的に環境保全や生物多様性に貢献したい
・農家の人が継続できるよう、買い叩かず、農業を支援したい
いろいろな動機で入会されています。
「家族にはスーパーの安い米でいいのに‥と嫌な顔をされましたが、自分の美容代を節約するからといって説得しました」
「私は食べなくていいから、孫のために買ってやりたいんです」
‥こんなふうに、家計を節約してまで、このお米を買ってくださっている方もいらっしゃいます。
当NPOは、そのような会員の皆様の貴重なお金をお預かりし、その支援金とお米の売上金で木村さんや有識者の先生を招聘し、情報収集をし、栽培資料をつくり、認証生産者の方へ情報提供しています。
また、ブランディングやPR活動をし、お米が流通に乗るまでのさまざまなサポートをしてくださっている協力企業・団体へ手数料をお支払いしています。
このため、収穫されたお米は「全量買い取り」として、生産者の皆さんにはJAを通じてお米をご提供いただくのです。
「How to だけ手に入れたら、あとは自分たちで他所で売りますので~!」
「木村秋則さんのネームバリューやお墨付きが欲しい」
「自分たちでつくった米なんだから、どこに、誰に渡そうと、こっちの勝手でしょ」
という方をお断り しているのは、このような支援者の方々を裏切ることになるからです。
ですので、認証規定の中には、保有米を販売した方は退会となる項目もあります。ここを理解されずに入会された方の中には、実際に退会通告となった方も残念ながらいらっしゃいます。
木村さんもよくこんなことをおっしゃっています。
「リンゴや米は、誰が実らせてくれたのですか?あなたではありません。木や稲が実らせてくれたのです。人間はお手伝いをしただけです」
「そのリンゴは、そのお米は、“自分のリンゴ” “自分の米”ではないのです」
作物の所有権は自分にある‥という概念は捨てましょうとお話しされます。

「私たちは遠方に住んでいるので、田んぼを見に行くことができません。私たちの代わりに、お米の生長具合を見てきてください。私たちの代わりに、栽培に困っている農家さんがいれば、サポートをしてあげてください」
私たちがほ場巡回をしているのは、監視をしているというよりも、このような会員の皆さんのお気持ちに応えるためです。
もちろん、監視や抑制の側面があることは否定しませんが、できるなら、性悪説ではなく、性善説の観点でこの巡回を行いたいというのが私たちの心からの気持ちです。
生産者の皆さんにも、NPOの趣旨をご理解いただき、農家の “プロ” としての自覚を持ち、支援者の方々への責任を果たしていただきたいなと思っています。
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さて、ちょっと堅苦しいことを申し上げました(;^_^A
今回もいろんなタイプの田んぼを見てきましたよ!レポート、つづきます(^_^)/
(つづく)