「自然栽培を科学する」レポート(1)

開始早々、熱気がスゴイ!
開始早々、熱気がスゴイ!

会場準備のために事務所を後にするギリギリまで問合わせ電話が鳴り続けた8月4日。

木村秋則×杉山修一『自然栽培を科学する』シンポジウムは無事、盛会に終えることができました。

 

当会の設立時からの目的の一つは、自然栽培を日本全国に広げること。

――できるだけ速く、できるだけ多くの人に、自然栽培がこれからの世の中に必要であることを知らせたい。もう時間はそんなに残されていないかも知れない。木村さんのその “ 想い” を当会も共有しています。そのために何をすればよいか?

 

地域の一人一人との対話を進めていく一方で、私たちは県やJAとの連携を模索してきました。

当会単体で収益を上げ、経済基盤を整えればよいとは考えていないのです。

アフリカには、こんな諺もあります。

 “If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.”

(速く行きたいなら、一人で行きなさい。遠くへ行きたいなら、みんなで行きなさい。)

 

模索する中で、個人からも、組織からも、まずは「自然栽培がそんなによいというのならデータを出してくれ」「本当に連携できるものなのか、証明は?」…と必ず言われます。そのたびに、私たちは宿題をもらったなと思ってきました。

 

自然栽培を実践したことのある人、実践している人が身近にいる人なら、実感としてわかっていただけるのですが、自然栽培があまりにも多角的で原理を固定化しにくい分野なために、

「これが答えです」と、机上に明確に提示することが難しいことを自然栽培を知らない人たちにわかってもらうためには、私たちはどのように伝えていけばよいか?いつも悩んでいます。

「自然栽培のよさがわからない人には言っても仕方ないよね」と突き放すことは簡単ですが、私たちは理解し合えることを信じて活動しています。

 

そんなときに出た杉山修一教授の著書

すごい畑のすごい土 無農薬・無肥料・自然栽培の生態学

出版されるという知らせを聞き、発売されるとすぐに本を取り寄せました。

あるスタッフが一晩で一気に読み終えました。

 

「ここに、私たちの求めている答えの大きなヒントがある!」

自然栽培は、やっぱりこれからの世の中に絶対に必要だ!

これは宗教でもなんでもない。現実として、ちゃんと成り立っている。

私たちはやっぱり間違っていなかったんだ!間違っていないんだ・・・! 

これはなんとしても、多くの人にわかっていただきたい。8月に木村さんがいらっしゃることは決まっていました。「理事長!木村さんと一緒に、杉山先生もお招きできないでしょうか?」

高橋も即決でした。すぐに木村興農社と木村さんに打診をし、杉山教授へお願いをし、スケジューリングと会場探しに走りました。

 

1ヶ月足らずで、本当に人を集められるか?参加費3,000円の設定ってどうなの?高いと言われるだろうか?でも、自然栽培を本気で考えている人なら、3,000円の価値をわかってくれるはず。内々では、そんな討論もしました。

日頃、現場で動いているスタッフはたった2人。予算や採算を考える余裕などもありませんでした。時間がない。でもやるしかない。8月4日を迎えるまで、綱渡りの状況下で無我夢中で走り続けました。毎晩日付が変わるまで資料作成や申込み対応をし、連日徹夜をしました。

 

そしてご覧のように、会場には木村さんや杉山教授の話を食い入るように聞く人たちがたくさん集まってくださったのです。県外にいる自然栽培の仲間たちも駆けつけてくれました。映画の主人公になった人でも見てみようかな、なんていう物見遊山な人はいません。どの方も真剣なまなざしでした。

つづく

「自然栽培を科学する」レポート(2)

最初の木村秋則さんのご講演では、以下のようなお話がありました。

 

・日本は世界で一番農薬使用量が多い。

・肥料をやらなくても、十分作物は育つ。これは北海道の大規模農場でも実現できており、

 採算性のある農法になりうることが立証されている。

・自然栽培の圃場では、多種多様な生物が、生態系の中でバランスよく互いにけん制し合って

 おり、返って病害虫の偏った異常発生が抑えられている。

・何も考えずに肥料をやり続けることで、地力を弱め、回りまわって環境汚染や温暖化

 といった環境問題にまで影響を与えてしまっている。

 

このほかにも、トマトやジャガイモの作り方のちょっとしたコツなども紹介されました。ジャガイモの種イモは、半分に切った切り口を上向きにするだけで、土寄せをしなくてもよいとのこと。皆さんの目からウロコが落ちたのを、見逃しませんでしたよ!(笑)

※じゃがいもは、日光に当たると緑色になり、ソラニンという有害物質を出すため、

 土をかぶせて(=これを土寄せといいます)日光に当たらないようにする必要があります。

***

最近、ゲリラ豪雨のために各地で甚大な被害が起きているニュースが立て続けに報道されています。本来、空から落ちた雨のしずくは、まず、木や木の足元にある小さな植物たちが受け止め、葉や枝をつたってポトポトと滴り落ちます。

次に、地面に積もる落ち葉の層が雨水を受け止めます。そして静かにやさしく、じわじわと下の土へと染み込んでいきます。

地面に染み込んだ雨水は、土の中をゆっくりと流れ、土の隙間を流れていくあいだに不純物がろ過され、さらに小さな不純物は、粘土や有機物に吸収され、だんだんと澄んだ水へと浄化されていきます。
一方、吸収された不純物は、微生物によって分解され、やがてこれ以上小さくならない状態となって気体になり蒸発し、空へと戻っていきます。

このプロセスは、木や植物、そして土、土の下にいる小さな生き物たちのおかげで自然の摂理の中で、かなりの時間をかけてゆったりと循環しています。

この水の循環が、スピードも、量も偏り始め、極端になってきたのは、一体いつの頃からでしょうか。思い当たることがありませんか?除草剤を撒いて、草の根も葉も、昆虫も微生物も一網打尽にし、生き物のいなくなった砂漠のような土地。一見、清浄にされたと思われたその砂漠に、肥料を撒いて育てられる作物。

 

もっと甘いものが食べたい。皮がかたいのは食べにくい。綺麗で大きいものがいい。リクエストに応えた作物は売れる。応えられなかったものは捨てられる。自分たちが美味しいものを食べたいばかりに、自分たちの収益のために、自分たちの狭い目的だけにフォーカスし、全体を見ず、バランスを壊したのは………

 

いえ、犯人探しをするよりも、これからすべきことを考えたい。それが、自然栽培の普及だと私たちは考えています。レポートの続きとして、この後ご紹介していく予定ですが、現在、日本各地で自然栽培をベースに活動を始めている団体が急速に増えています。その勢いの凄さに、地方自治体が動き始めているところも出てきました。さらには、医学界も注目し始めています。

 

木村さんは、この全国の自然栽培の動きは、あの明治維新を彷彿とさせる、非常に重要な動きだと感じているそうです。「これは農業ルネッサンスです!」と力強くお話されていました。

 

次回は杉山教授の講演レポートです。

またまたつづく

「自然栽培を科学する」レポート(3)

今回のシンポジウムで、一番注目が集まったのは杉山教授のご講演。

自然栽培のテーマに「科学」というキーワードが入ったのは、これまでにない企画です。

杉山教授は、ご専門の植物生態学から見た、自然栽培の概要がどのようなものなのかを、豊富な資料と共にお話くださいました。紹介されたパワーポイントの資料は、著書にも載っていない貴重なものもありました。ご来場になった方はラッキーでしたね!

教授は、リンゴの木はもちろんのこと、木村さんのリンゴ園に生息するありとあらゆるものをサンプル調査しています。ご覧の上の画像は、リンゴの葉から抽出した内生菌(=エンドファイト)を調べたものです。円グラフをパッと見ただけでもわかるように、多様な内生菌群集がいることがわかります。ただの一枚の葉っぱでも、どのような環境で育ったかによってこんなに違いが出るものなのですね。

 

こちらは土壌から抽出された微生物量について。木村さんの圃場と慣行圃場との比較です。

窒素を固定する働きのある、真菌や放線菌が多いことがわかります。(上段)その結果、微生物窒素量が慣行圃場の倍近くになっていることが右下グラフからわかります。   

ほかにも、昆虫の群集構造調査や、天敵となる昆虫の生態、天敵を呼び寄せる植物のしたたかな防御術なども写真と共に披露され、自然界にあるものだけで植物の生育が可能となっている様子に、農家はもとより、農の専門集団ともいえるJA関係者が真剣に見入っている姿がとにかく印象的でした。

 

間違えてはいけないのは、自然栽培に取り組めば、すべての圃場が上記のようになるとは限らないということ。

これは、圃場の個性と、木村さんが手と足と目と頭と心を駆使した圃場への働きかけが掛け算となって、長年の蓄積によって生まれた結果なのです。この結果を、見る人によっては「奇跡」と評し、ある人は「木村さんの努力が引き寄せた必然」と評しているのです。そこには「奇跡」も「必然」もあり、「事実」があるだけです。

 

このことは、圃場に働きかける人間の個性によって、いくつもの結果が生まれてくるということを示しています。私たちが原理を集約できず「答え」を簡単に提示できない理由がここにあります。だからこそ、一人でも多くの生産者を増やし、台帳を作って記録を残し、そこから見えてくるものが何なのかを、シェアしたいのです。

 

さぁ、科学者は この「事実」をどう紐解くか。

木村さんに続く生産者がいるように、杉山教授に続く研究者や協力者が増えてくださることを、現場にいる生産者と私たちは待っています。

 

まだまだつづく・・・w

「自然栽培を科学する」レポート(4)

会の後半は、当会お馴染み(笑)、パネルディスカッション。

パネリストは、木村さん、杉山教授に加え、木村興農社主任研究員の熊田浩生氏、JA岡山西営農部長の渡辺則文氏、生産者代表として当会理事山田徳三郎、コーディネーターとして理事長高橋啓一。

そして、急遽駆けつけてくださったのは、「日本で最も美しい村」連合副会長で、カルビー株式会社 相談役の松尾雅彦氏。すごい顔ぶれです!

 

自然栽培が広がることは、自然回帰へとつながるわけですが、これは日本の美しい原風景を取り戻すことでもあります。

山や海に囲まれ、四季折々の彩り美しい私たちのふるさと、日本。

全国津々浦々、その土地、その風土で育まれた作物は、一つとして同じものはありません。

コシヒカリといえば魚沼産といわれ、いくら岡山で作ってもその地位に近づけないように、岡山で生まれた朝日米はやはり岡山県産が一番だと、胸を張っていえる財産であるように、ほかの何かに取って代わるものはない。

 

いくら他所から安い作物が入ってこようと、便利なものが入ってこようと、画一化されどこででも同じものを作るという手法から離れている自然栽培は、どこにもないオリジナル性をすでに確立しているのですから、TPPも恐れる必要がないのです。対抗するまでもなく、泰然自若としていればよいわけです。

日本人の美徳とされている勤勉で丁寧なモノづくり精神から作られる作物は今、世界中から注目され、手間隙のかかるモノに値する価格はむしろ海外で正当に評価されています。

 

選択するのは貴方です。そろそろ真剣に考えていきましょう。

 一緒に農業ルネッサンスを興していこうではありませんか!

 

体調を崩された病み上がりの小さな身体のどこから、こんなにも力が出るのだろうと思うほど腹の底から出てくる木村さんの力強い声に、会場は静まり返りました。「わたし、歯がないもんで、腹式呼吸なんですよ。ガハハハハ!」と笑う木村さんですが、あの力強さはそれだけが理由ではないのは、会場にいた誰もが感受していたことでしょう。

 

以上、駆け足でのレポートでしたが、「来てよかった!」「今日の、よかったねぇ!」と多方面から肯定的な感想が寄せられ、無我夢中で準備をしてきた実行委員会メンバーは皆胸をなでおろしました。農業をする人、家庭菜園で楽しむ人、自然栽培に触れる人すべてに、何かしら持ち帰るものがあれば、私たちはとても嬉しく思います。

そろそろお盆休みでふるさとへ帰省する方も多いと思います。

どうぞ、土の匂い、風、空気… ふるさとの風景を心に焼き付けてくださいね。

 

さて、お次は岡山国際ホテル主催で開かれた、ちょっとオシャレなレセプション・パーティーの様子をご紹介したいと思います。

 

まだまだつづく・・・・長いw

 

"KISEKI" Special Dinner

暑い&熱いシンポジウムが終わった後は、岡山国際ホテル主催のレセプション・パーティーが開かれました。岡山国際ホテルは緑に囲まれた小高い丘に立つ閑静な環境にあり、岡山市街が一望できるホテルです。今、お食事部門に大変力を入れていらっしゃるそうで、地産地消・岡山県産の食材にこだわり、県下のあらゆる美味しいモノをリサーチされています。伝説となったTV番組「料理の鉄人」で、鉄人に勝利したシェフを輩出したホテルとしても、脚光を浴びたことがあります。

 

今回、ありがたいことに当会の認証米「朝日」と、朝日米で造られたお酒「奇跡のお酒」もオファーをいただき、正式にご提供することが決まっています。

 

これに先駆けて、「奇跡のお酒」に合うお料理のメニューが開発され、そのお披露目をかねたレセプション・パーティーが、今年4月にOPENしたばかりのオープンキッチンレストラン&バーラウンジ「THE GARDEN TRRACE」で開催されました。

 

「奇跡のお酒」は先頃ワイングラスでおいしい日本酒アワード2013」で金賞を受賞したばかり。海外での販売も決まっています。「奇跡のお酒」のフルーティーで白ワインのような芳醇な味は、会場の洗練された雰囲気やお料理にもぴったり。

 

木村さんに少しだけご挨拶いただきました
木村さんに少しだけご挨拶いただきました
ファン続出の杉山教授からも♪ 
ファン続出の杉山教授からも♪ 

 

 

「こんな洗練されたパーティー、東京でもなかなかありませんよ♪」

乾杯の音頭をとってくださった松尾相談役からもお墨付きをいただきましたよ^^

 

ギターとウッドベースの奏でる、ジャズやボサノバの音楽も夏の岡山の夕べを素敵に演出。

さぁ、オトナのパーティーの始まりです☆

 

あとは写真でお楽しみください。





大阪実行委員会の稲田会長ご夫妻
大阪実行委員会の稲田会長ご夫妻
いつもFacebookで応援してくださっています
いつもFacebookで応援してくださっています

自然栽培のために岡山へ移住/移住予定だそうです
自然栽培のために岡山へ移住/移住予定だそうです
NPO設立当初からずっと支援してくださっている皆さん♪
NPO設立当初からずっと支援してくださっている皆さん♪

生産者阿部さんご夫妻 いつもありがとうございます!
生産者阿部さんご夫妻 いつもありがとうございます!
菊池酒造 社長(五代目・右)と専務(六代目・左)
菊池酒造 社長(五代目・右)と専務(六代目・左)

 

こだわりの生産者によって自然の調和の中で育まれた食材。

 

こだわりの料理人と、ホスピタリティ溢れるスタッフによる美味しい料理。

 

美味しい食べ物が並ぶテーブルを囲みながら至福の時間を共有する家族や仲間たちとの語らい。

 

生産者×流通者×消費者のトラアングルがバランスされた景色がここにありました。

 

なんて幸せなことでしょう。

何でもないような毎日こそが幸せであり、奇跡の連続。

この奇跡に感謝したくなります。

こうして”KISEKI” の夜は更けていきました。

世界初!県立農業高校の自然栽培!

季節ごと、節目ごとにTOPページのヘッダー画像を変えているのに気づかれている方もいらっしゃることと思います。今回また、画像が替わりました。

ステキな笑顔の彼らは、岡山県立興陽高等学校農業科の生徒さんたちです。

 

私たちは、これからの若い人たちにも自然栽培の可能性を知ってもらいたいと、昨年から農業科を持つ高校のいくつかへ、熱いアプローチを送っていました。すると、県立興陽高校さんの有志の生徒さん達が「自然栽培を試してみたい」と手を挙げてくれたのです。

 

当初、先生方は躊躇されたようですが、当会からも足しげく通っては、自然栽培のしくみや、これからの農業のあり方、後継者育成の間口を広げることの必要性などを訴え、嬉しいことにこの春から、学校の圃場のうち16aを自然栽培田として、取り組んでいただけることになったのです!

 

高校生が自然栽培を始めたのは全国初&世界初です!

 

学校現場・・しかも県立高校でだなんて、これは画期的なこと。

生徒さん達と先生方のご英断に、心からの感謝と拍手を送りたいと思います。しかも、ここで収穫されたお米はJAへ拠出し、支援者であるNPO会員の皆さんへきちんと提供してくれるとまで言って下さいました!なんと頼もしいことでしょう。私たちの嬉しさといったらありません。今年収穫されたお米の中には、こんな爽やかな青年達の汗したお米も入ってきますので、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

このことを知った木村さんや杉山教授は、シンポジウム翌日、一番に興陽高校へ駆けつけてくださいました。夏休み中の生徒さん達も集合。

自然栽培の提唱者、木村秋則さんと高校生との初対面です!(これって歴史的なことですよね)

緊張する高校生たち・・・

 

でも、木村さんのこの笑顔ですっかり場は和やかに。

みーんな、この笑顔のとりこになっちゃうんですよね(笑)

 

何やら真剣にお話していますが、次世代へとバトンを渡そうとしている木村さんと、それを受け止めようとしている高校生君たちの姿が尊く思え、この空気をこわしてはいけないような気がして、話に聞き耳を立てるのはやめました。


何を話しているのかはさっぱりわかりませんが、この光景を見ているだけでもう、こちらまで楽しくなっちゃいませんか?木村さんの嬉しそうな顔といったら!

杉山教授も早速、土をサンプリング。教授はこれまでずっと、東北地方の自然栽培圃場は調査対象としてご覧になっておられましたが、西日本は初めてとのことで、岡山へ来ることをとても楽しみされていたそうです。この後に続くレポートでもご紹介しますが、岡山県内のいろんな圃場の土を持ち帰られました。

最後に記念撮影。

この爽やかな笑顔を見ていたら、夏の暑さも、自然栽培普及の苦労もすべて吹き飛びます。この場にいた大人たちの方が、何倍も元気と勇気を分けてもらったように思います。本当にありがとうございます。興陽高校の皆さん、いいお米になりますように・・いえ、絶対いいお米になりますね!

未来の農業は明るい!!

 

このときの話題が毎日新聞にも取り上げられました。

Web版はこちら→ 木村秋則さん:興陽高生を激励/岡山

 

木村&杉山コンビ、岡山の田んぼに太鼓判!

前回の興陽高校の皆さんのご紹介では、多方面から賞賛の声をたくさんいただきました。

「素直でさわやかで、素晴らしい生徒さんたちだ!」

「自分たちから自然栽培をやりたいと言ったことが本当に素晴らしい!」

「親御さんや先生方はお幸せですね!」などなど。

何だか私たちまで褒められたみたいで、嬉しくなってしまいました^^

 

興陽高校さんを後にして、圃場視察は続きます。

この日は、木村さんが青森へお帰りになる日だったため、空港へ向かう道程に近い圃場を、JA担当者さんにピックアップしてもらい、視察していただきました。

こちらの田んぼは、JA岡山管内の熊岸さんの圃場です。しっかり育っていますねー!

 

よく見ると、コナギという水田によくある雑草がビッシリ生えています(>_<)

自然栽培に転換して1~3年くらいは、皆さんこのコナギに泣かされるようです。

コナギは窒素好きなので、イネと窒素を取り合っているのかも知れません。

 

一方で、何かの植物が育てば、それと共生して栄養を交換しようとする別の植物が現れて植物相を作ろうとしますから、「取り合っている」のではなく、「シェアしている」という見方もできますね。

 

ここで起きている事象は、イネが生え、コナギが生えているという事実だけですが、これをどうとらえるかは、見る人によって全く違ってくるわけです。

コナギを悪と見るか?善と見るか?あなたはどちら?

(どちらでもないという選択肢もありますね♪)

 

ちなみに、コナギは古来、食用として食べられていました。

お浸しなどにすると、やわらかくて雑味もなく美味しいそうです。カリウムが大変豊富で、

カリウムは高血圧やむくみによいとされ、夏バテ防止にも一役買っています。

汗と一緒に体からカリウムが一気に失われると、脱力感などを誘い、夏バテしてしまいます。

夏野菜の代表格、キュウリもカリウムが豊富な野菜として知られていますね。

季節にあわせて理にかなった植物=作物=旬の野菜が育つなんて、やっぱり自然の摂理って凄い!

右奥に見えるのは、JA岡山管内 期待の若手ホープ生産者、大内さん♪
右奥に見えるのは、JA岡山管内 期待の若手ホープ生産者、大内さん♪

コナギをちぎって、クチクラ層の説明をする木村さん。

クチクラとは、毛髪のキューティクルみたいなものです。

クチクラは、ロウのような物質でできた皮膜で葉を覆っており、外部からの生物や物質の侵入や、紫外線による傷みを防いだり、植物自身の過度な蒸散を抑制したりしています。

自然栽培の作物は、このクチクラ層が発達している場合が多いので、淡い緑色をしており、濃い緑色をしていません。これを茹でたり炒めたりして火を通すことで、鮮やかな緑色が出てきます。(自然栽培野菜を選ぶときのポイントにしてみてくださいね!)

この方が、こちらの田んぼで作付けをしてくださっている熊岸さんです。

熊岸さんは昨年1等米100%という実績を叩き出し、そのお米を惜しげもなく拠出してくださいました。今年は、自然栽培に転換して3年目なので、収量はあまり期待せず、土が変わっていくのを楽しみながらお世話していらっしゃるようです。

私たちが「木村曲線」と呼んでいる、3年目に一旦収量が落ちて、その後V字回復していくという、“3年目の洗礼” の情報をあらかじめご提供できているので、熊岸さんも焦らず、ゆったりとした気持ちで取り組んでくださっているのが、この笑顔からも伝わってきます。

 

木村さんは初期の頃、自然栽培を呼びかけた人のうち、この3年目の洗礼を受けた方に「俺は木村に騙された!」と言われて悲しい想いをたくさんされたそうです。木村さんもさぞお辛かったと思いますし、「騙された」と思ったまま、自然栽培に不信感を持つこととなった方もお辛かったことでしょう…。

このような悲劇が生まれないためにも、当会でもすべての圃場を一気に自然栽培に転換するのではなく、少しずつ転換されることをお勧めしています。

「こっちおいで~♪」
「こっちおいで~♪」
「家宝にします!」と熊岸さん。また写真、送りますねー!
「家宝にします!」と熊岸さん。また写真、送りますねー!

遠慮がちに遠巻きにご覧になっていた熊岸さんのご家族をお呼びして、記念撮影。

熊岸さんを自然栽培生産者1代目とするならば、木村さんに抱っこされている小さなお孫さんは3代目!?

こちらも未来の農業は明るい!!

こんなふうに、当会にはまだまだ皆さんにご紹介したい生産者さん達がたくさんいらっしゃいます^^

 

木村さんと杉山教授によると、ここ岡山県は「晴れの国」と呼ばれるだけあり、日照条件がよく、瀬戸内の温暖な気候と相まって、自然栽培にとって絶好の条件が満たされているとのこと。まして、朝日米という自然栽培と好相性の在来種まで揃っていることは素晴らしいこと!と太鼓判を押して頂きました。

 

杉山教授には「シンポジウムの前に視察をしていたら、話す内容をもっと変えていたかも知れません。岡山がここまで進んでいるとは、本当にびっくりしました。もう出来すぎです!」とのことで、こんなにも褒めていただけて、嬉しいやら恥ずかしくなってくるやら(笑)

田んぼの神様に頂いた環境に甘えることなく、謙虚な気持ちを忘れずに、生産者さん達と取り組みを進めていかなくてはいけませんね。背筋を正していきたいと思います。

 

木村さんと杉山教授は、この後も数箇所の圃場を視察され、無事 帰途に着かれました。

木村さん、杉山教授、お忙しい中こんなにも暑い&熱い岡山へお越しくださいまして、本当にありがとうございます。

 

 

さて、シンポジウム関連レポート、次回は最終章。

「西日本連絡協議会」のご報告です。(つづく)

自然栽培米「岡山県産平成24年度朝日米」完売御礼

西日本連絡協議会のレポートの前に、皆さまへご報告です。

おかげ様で、当会認証のお米 岡山県産木村式自然栽培米「朝日」平成24年度産が完売となりました。

一般のお客様には大変申し訳ありませんが、次期平成25年度産の一般販売が開始されるまでしばらくお待ちいただくことになります。開始時期は未定ですが、NPO会員の方の年間予約注文期間が終了後、例年1~2月頃となっています。

NPO賛助会員の方で年間予約がお済みの方へは引き続き、ご注文数量をご依頼の月に発送してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

今年度の新米の生育状況ですが、地域によっては、そろそろ出穂を迎えている田んぼも出てきました。10~11月の収穫期を迎えた頃には、NPO会員限定の年間予約を開始いたしますが、ご注文が混雑する可能性もありますので、この機会にご入会のご検討をお勧めいたします。

なお、NPO会員の募集は、この取り組みに賛同いただき、生産者および当会運営のためにご支援・ご協力いただける方へお願いしております。趣旨をご理解の上、ご検討いただきますようよろしくお願い致します。詳しくは、会員募集のページをご覧ください。

 

皆様の温かいご支援に、あらためまして心より御礼申し上げます。

生産者の皆さーん!皆さんの汗と志の結晶のお米、一粒も無駄にせんで買って頂いたけぇなー(⌒∇⌒)ノ

全国に広がる自然栽培の輪

8月4日のシンポジウムに先駆けて、3日には「西日本連絡協議会」が開催されました。

せっかく木村さんが西日本へお越しになるということもあり、この機会に 関西~四国~九州のちょうど中間点でもある岡山に集まっていただき、各地での取り組みを互いに発表し合い、情報交換をしませんか?とお声掛けをしたところ、各団体の皆さんが快く駆けつけてくださって実現した会です。

会では取り組み状況や困っている問題点など、自由なスタイルで意見発表をしました。

 

大阪府木村式自然栽培実行委員会さん。(大阪府)

大阪では、木村さんや自然栽培のファンを増やし、消費を喚起する活動に主眼を置いて取り組まれています。さすがは天下の台所、大阪ならではのアイデアとパワーで、生産者の皆さんを盛りたててくださっています。大阪発の商品開発やプロデュースなど、じわじわと力を発揮!大阪の皆さん、自然栽培に取り組む生産者さんの強い味方役、よろしくお願いします!

 

香川県木村式自然栽培実行委員会さん。(香川県)

瀬戸内海を望む五色台という連峰の麓の広大な土地の一角で、野菜やハーブの栽培に取り組まれています。各作物の栄養成分の分析や、東洋哲学の視点から見る自然栽培の精神性の研究まで、幅広く研究されているとのこと。その研究成果をまとめるところまでをキッチリとやり抜いていらして、やりっぱなしになっていない点が素晴らしい!着眼点の鋭さに、会場からもどよめきが^^

 

NPO法人鳥取県木村式自然栽培実行委員会さん。(鳥取県)

若い担い手生産者さんを中心に、勉強会や試食会など、丁寧な活動・企画を頻繁に開催されています。

当会はまだこうした参加型の企画が少ないので大変勉強になりました。

嬉しいことに、8月29日にNPO法人として認可・登録が完了されたそうです。

鳥取の皆さん、NPO法人の設立おめでとうございます!

 

NPO法人吉野川に生きる会さん。(徳島県)

美しい吉野川とその流域の自然を壊すことなく、吉野川の恵みである農林水産物を活用した産業や歴史と文化を基盤とした観光事業を起こすことを推進していらっしゃいます。この取り組みに自然栽培を取り入れ、米づくりも進めています。このお米で造られた純米酒「ありがとう」も絶賛販売中とのこと!当会の「奇跡のお酒」といい、自然栽培のお酒は喉越しがよく、とても評判がいいのです。各地の自然栽培原料のお酒の飲み比べもできるといいですね^^

 

パーソナル・アシスタント青空NPO法人ユニバーサル・クリエイトさん。(愛媛県)

木村興農社の熊田さんが木村さんの右腕なら、左腕はこの人!?と最近巷で噂のニューヒーロー、佐伯康人代表。全国の講演や指導で大変な木村さんに、少しでも力になりたいとお手伝いを申し出られたそうです。地元愛媛では障がいのあるなしにかかわらず、誰もが安心・安全に暮らしてゆける持続可能な地域社会の創造」というテーマで、農業や食を通して障がい者、高齢者および子育て世代になどが交われるコミュニティづくりに奮闘されています。
当会が設立された当初よりお米づくりについて勉強しに岡山へいらしており、木村さんへもお繋ぎしました。今も稲作のノウハウについて情報をご提供しています。

 

NPO法人しあわせみかん山さん。

後継者のいなくなったみかん山を引き継ぎ、人と自然と地域をつなぐお手伝いをされていらっしゃいます。木村さんを招いての剪定会以降、みかんの木が若返り、ぐんぐんと生育していく姿は圧巻。その様子を細やかに観察し、多くの人とその喜びをわかち合うみかん山の皆さんの温かい雰囲気にファンが増えています。「こんな会を開いてくれて、ホントにありがとう」としみじみと声をかけてくださった入野氏。数年前に体調を崩されたとのことですが、自然栽培に触れてお元気になられたようで、本当によかったですね!ご来岡されていた理事長の海島未来さんのお姿が見られず残念でした。よろしくお伝えください♪

 

NPO法人英田上山棚田団さん。(岡山県)

今をときめく飛ぶ鳥を落とす勢いの集団といえばこちら、上山集楽の皆さん。岡山県美作市の限界集落にある棚田を再生し、耕作放棄地や放置山林、古民家などを未利用資源と捉え、様々な事業を組み合わせてモノを販売するだけではない価値観の多様性を提案されています。「えっ?上山も木村式やってたの?」と思われた方も多いでしょうか。土壌環境の違いから、当会が推奨している手法とは若干の違いがあるものの、熊田さんがキューピッド役になってくださり、同じ岡山同士、ぜひ情報交換しましょう!とおつきあいが始まりました。行動力、発信力等、学ぶことも多く、刺激になります。

 

※上山では、来年度からは田んぼの大半を減農薬へ戻されるそうです。

 

伊吹山スロービレッジさん。(滋賀県)

こちらも棚田再生に取り組まれている滋賀の皆さんです。上山の棚田の皆さんとも仲良し^^

滋賀県米原市にある伊吹山の麓、ミネラル豊富な水源からの清流で育つお米や野菜づくりを進めていらっしゃいます。自然の力を生かした循環型農業に取り組むだけでなく、都市住民の方たちにも自給自足の場を提供したり、生活を楽しむ場にもしたいと活動されています。土壌微生物の活性値調査など、科学的な切り口の勉強も進んでおり、毎月開かれている勉強会に当会も興味津々!お近くの方はぜひご参加されてみてはいかがでしょうか。

 

ながさき木村式自然栽培研究会さん。(長崎県)

今年の春に発足された会で、まずは水稲、オリーブ、みかんの栽培から着手されるとのこと。熊田さんや愛媛の佐伯さんが農業指導に赴かれています。すでにグリーンツーリズムや、生産物を取り扱うマルシェへの出店などで厚い実績をお持ちの皆さん。長崎市の農業振興課のバックアップも受けて、万全の体勢で自然栽培をスタートされており、今後のご活躍が楽しみです!マイクをお持ちの甲田さんは、なんと軽トラで長崎から岡山までお出でくださったそうです(驚!)

最後は当会。おなじみ、山田がお話させていただきました。当会の取り組みは…もうすでにこのBlogで皆さんにはご存知いただけていると思いますので、省略(笑)

 

木村興農社主任研究員 熊田浩生氏
木村興農社主任研究員 熊田浩生氏
「農業ルネッサンス」ライター 温野まき氏
「農業ルネッサンス」ライター 温野まき氏

このほかにも、ご指導いただいている熊田さんや、木村さんの活動を専門に取材する機関誌「農業ルネッサンス」のライター 温野まきさんなど、陰で木村さんを支える方々にもご登壇いただきました。

熊田さん、温野さん、いつもありがとうございます♪

 

JA倉敷かさや 山部営農部長
JA倉敷かさや 山部営農部長
全農岡山県本部米穀部 芦田監理役
全農岡山県本部米穀部 芦田監理役
JA岡山OB 鎌谷実行委員
JA岡山OB 鎌谷実行委員

当会の異例な(?)特色でもある、実行委員会メンバーに入ってくださっているJAや全農の皆さんにもお一人ずつお話いただきました。

「岡山以外も、みんなすげーなぁ!」と感嘆の声を上げていたJA関係者の皆さん。

「あのパワーポイント、うちの職員にも見せたいんじゃけど、いけんかな?」という声まで^^

当会の生産者の皆さんへも、10月に予定している収穫祭などで、会の様子をご覧いただけるようにしたいと計画しています。

 

さて、会が終わってそのままの勢いで、理事長の高橋邸にて懇親会。

幸せが充満しておりますーーー!
幸せが充満しておりますーーー!

こちらの広間、じつはエアコンがないため、もうみんな汗ダッラダラ状態wwwww

そうでなくても熱い人間がこれだけ集結していて、一体この部屋の温度は何度だったのか!?

集まりすぎて、玄関ホールにまで人がはみ出していました(笑)

もうみんなの顔、汗でテカテカに光り輝いているじゃないですかーーー!

 

やっぱり、明日の農業は明るい!!

 

・・・と、オチもいい具合に着地できたところで(?)、今回のレポートは終了です。

8月はシンポジウム関連のネタ月間でお送りしましたが、いかがだったでしょうか。

当会も日頃は、自分たちが自立していくために精一杯なのですが、こうしてほかの皆さんの努力されている姿を拝見することが出来、たくさん刺激をいただき、勉強になりました。

 

各地の小さなコミュニティがそれぞれ自立しハッピーになり、その点が1つ増え、2つ増え、あちこちに自立したコミュニティが生まれて、点と点とがつながっていく。俯瞰すると、いつのまにか全体がハッピーになっていた。そうなると素敵ですよね。ボトムアップ型の広がり方。それは自然界に集まる大小の生き物たちの動きと同じ構図ですね。


それぞれの想いや手法、表現の方法に多少の違いはあっても、みんなの見つめている中身は同じ。お互いに一歩引いて相手への敬意の念を持つことで、私たちはつながることができます。その大切さを、熊田さんは「関係性の表現」という言い方で日頃からお話されています。これは「人:人」だけではなく、「人:作物」「人:自然」にも当てはまります。

今回、時間も経費も要するにも関わらず、快く岡山へ集まってくださった皆さんのおかげで、私たちはあらためて、「関係性の表現」について考える素晴らしい機会をいただきました。ありがとうございます。

 

もう夏も終わり。そろそろ朝夕は秋の風が吹き始めているようです。

季節の報せに感性をかたむけ、自然に寄り添いながら、私たちは又進んでいきたいと思います。