圃場巡回レポート<耕起編>

お米に、ブドウに、桃に…といろいろと取り組みが拡大されているうちに、レポート報告がかなり遅くなりましたが・・・ <(_ _)>

圃場の巡回は適時進んでおります!今回は6月・田起こしの時期に行った巡回レポートをお送りします。
今回は、JA倉敷かさや管内のうち、笠岡地区のときのレポートです。

ここで簡単に、岡山県内のJAの管轄をご紹介しておきます。岡山県内には9つのJAがあります。

JAって何?という方のために:JAは通常、各JAごとに単体で独立して運営がなされています。

この中で、当会へ参画してくださっているJAは4JA。赤字で書かれているところです。

(参画されていないJA管内にも当会の生産者さんはいらっしゃるため、ご協力をお願いしています)

今回巡回におじゃました笠岡地区は、黄色で丸く囲んでいる地域です。

 

笠岡で登録してくださっている生産者さんは、小高い山の棚田に圃場を持つ方が多いようです。また、棚田ゆえに高齢のために稲作を断念された場所も多く、そのような場所を借り受けて、新規就農・町おこしに挑戦している素人さんが多くいらっしゃるのも特徴です。

こちらはかなりの年数 耕作放棄されていた田んぼを開墾されています。大量の刈り草が積まれていました。通常、冬のあいだに”薄くばら撒いて、しっかり乾燥させてください” と手引きでお伝えしていますが、こちらの生産者さんはばら撒いてもかなりの厚さで積むことになり、乾燥できそうにないと判断され、このように一箇所に集めたそうです。手引きの文章から”乾かす”という根幹を掴み、ご自身で判断されていること、悩みながらも「まずはやってみる」の精神で作業を進めていらっしゃることは、当会の目指す生産者育成と合致しており、とても嬉しい取り組みです。

握りこぶし大になるよう、荒起こしをしています。酸素をたっぷりと送られ、土の中の好気性微生物が喜んでいるでしょうね^^


こちら、綺麗に刈られた畦。ノアザミだけは刈り取らずに、そっとそのままにしていらっしゃいますね。生産者さんのお人柄がうかがえます^^ おかげで、ミツバチが蜜を採りに来ていましたヨ。

生産者さん、ありがとうございます(ミツバチより♪)

こちらは何と、麦を植えていらっしゃいました。二毛作ですね。この後の稲の生育にどのような影響が出てくるでしょうか。生産者さんからのご報告が楽しみです。早速確認記録に残しました。

笑顔がとっても素敵!
笑顔がとっても素敵!

 

何人かの生産者さんに偶然お会いできました。

こちら、ご本人の許可をいただきました。

早くから当会にお入りくださったNさん。たくさんの田んぼを委託されており、町おこし団体でもお手伝いされているとか。それだけ地域の信頼の厚い方ということなのでしょうね。新規で入られた方のよき相談役としても活躍いただいています。

Nさん、今年もいいお米を作ってくださいね!

こちらはご年配の女性生産者さんです!この方も婦人会などでご活躍の方で、圃場がなかなか見つからずに困っていた新規就農者さんのために奔走してくださったりしています。

JAさんと私どもNPOスタッフがおじゃますると、「まぁ!素敵!JAさんまでお揃いでこんなに沢山で!あなた達、この光景、とっても素敵だわーーー!」と物凄く喜んでくださいました。

Kさん、いつもありがとうございます!

 

「この花、JAの直売所に出すと人気なんよ。あげるけん、持って帰って^^」

「暑い中、巡回ご苦労様!これ、皆さんで飲んでね」

生産者さんと仲良くなるにつれ、皆さんからこんな嬉しいお気遣いまでいただくようになりました。恐縮してしまいます。ありがとうございます!

 

巡回の道中では、JAさんとNPOスタッフも仲良くなり、いろいろな情報交換が出来るようになっています。JAさんが日々大変な業務の中 自然栽培普及に手を貸してくださるには、どれだけ大きなリスクを抱えてくださっているかが分かり、また我々NPOの想いも同時にご理解いただけるようになっています。相互理解は、顔を見てのコミュニケーションが一番ですね!

 

お米づくりを通じて、このような心と心のやり取りが出来、感謝や温かい想いがお米に通じる…NPOが目指している米づくりが、少しずつ少しずつ、芽生えています。この輪が広がっていくことを願っています。

 

次回は、田植え時期の巡回をレポートいたします(^^)/

「すし遊館」で当会の朝日米がお目見え!

台風11号も過ぎ、大きな爪痕が残った地域の方々には 心よりお見舞い申し上げます。

当会では、なんば桃園さんの桃が少々影響を受け、収穫直前の桃に傷みが生じてしまい早々に品切れとなってしまいました。楽しみにしてくださっていた方には申し訳ありませんでした。

 

自然栽培に限らず、夏に収穫期を迎える農産物は、この時期特有の台風やゲリラ豪雨のために突然の被害に遭うことが多いとのこと。特に桃は「持ったそばから指の跡がつく」といわれるほど、デリケートな果実。果樹栽培の難しさを痛感します。今後の対策についても協議を続けてまいります。田んぼもどうなるかと心配されましたが、おかげ様でこちらは大きな被害もなく、順調に生育が進んでおります。

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さてここで皆様へご報告です。

「すし遊館」のWebサイトより
「すし遊館」のWebサイトより

弊会理事長 高橋啓一が代表を務める「すし遊館」にて、ついに木村式自然栽培米「朝日」使用のシャリのお寿司を、以下の3店舗にて通年でご提供できることになりました!

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新倉敷店/宇野店/西大寺店 (いずれも岡山県内)
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これまで当会の木村式自然栽培米は生産量が需要数に達しておらず、年間数十トンもの米飯をシャリに使用しているすし遊館では、期間限定でしかご提供できていませんでした。
(現在も多方面からお取引のオファーは続いており、今後も生産量を増やす必要があります)

「まずはご支援くださっているNPO会員さんとユーザー企業の皆さんのお米の確保が先決。供給数が足りない部分は、できるだけ私の会社で負担し需給バランスを取ります。私の会社の分は、一番最後でかまいません」一番に使いたいであろうすし遊館で、ずっと辛抱強く待ち続けた朝日米。取り組み5年にしてようやく、通年でご提供できるまでになりました。


「そのつもりはなくても、NPOの取り組みを私の会社のために利用するような形になるのは本意ではありません。まずはほかの認証ユーザーさんをクローズアップして差しあげてください」との高橋の考えで、すし遊館のことをこのサイトで宣伝することは控え目にしてきました。

 

本来、生産者の方と高橋や仲間の数社とだけで直接取り引きをすれば、もっとシンプルで収益もダイレクトに享受することができるでしょう。しかしこの取り組みは、農業・地域の振興を主軸とし、できるだけ多くの人が関わり、大きく広げる必要がある。そうなれば、地球規模で環境の保全にもつながっていく…これが高橋がNPOに託した理念です。「どうせ寿司屋の道楽だろう」「JAの回し者か?」…このような狭量な声にも耳を傾けず、言い訳もせず、高橋はぐっと我慢をして理念に向かって邁進してきました。これからもです。

 

という訳で、ようやく通年で朝日米を使えるまでに普及が広がっていることのご報告を兼ねて、このたび晴れてお知らせさせていただきます。

「人肌のシャリ」が命の江戸前寿司。まぐろは天下一品。「すし遊館のは旨い!」「回転寿司にしておくのはもったいない」との高い評価をいただいている「すし遊館」。このお盆にはぜひ、ご家族やご親戚そろって「すし遊館」へお立ち寄りください!
▼木村式自然栽培米「朝日」のシャリのお寿司が食べられる店舗のアクセスや詳細は、

「すし遊館」のホームページへ(^^)/
http://www.sushiyoukan.com/

圃場巡回レポート<田植え編>

遅くなりましたが、圃場巡回レポートの続きをご報告いたします。今回は田植えの時の様子を。

おじゃましたのは、JA岡山東管内です。JA岡山東さんへは現在、当会の活動にご賛同いただけるようお願いをしているところなのですが、当会へ参加してくださる生産者の皆さんの懸命な努力が、私たちの大きな力となっています。

私たちがおじゃましたのは6月30日。ちょうど田植えが終わったばかり。2度目のチェーン除草をしたところがほとんどでした。

黄色い電車が水面に映って素敵な光景
黄色い電車が水面に映って素敵な光景

以前にもお伝えした通り、チェーン除草は、「除草」という言葉こそ入っていますが、木村興農社の主任研究員 熊田さんからのアドバイスによると「発根促進」の意味合いが強いことが最近になってわかってきました。土の中をかき回すことで、根を刺激したり、酸素や窒素を供給しやすくしたりし、幼苗の根の活着を助けています。稲の根がほかの草よりも早く根を広げることができれば、草の繁茂を防ぐことができます。

このとき、よく「苗が抜ける」という方がいらっしゃいますが、苗が小さい内に植えてしまうという苗側の原因のほかにも、耕起や代掻きをした後、土と水がこなれていない内からすぐに苗を植えているという、圃場の段取りの不備による原因も見受けられます。農業経験者さんにとって話題に出ることもないほど当たり前のことでも、初めて米作りをする素人さんにはわからないことも多いようです。手引きに書かれてあることだけでなく、通常の米作りの指南書でも知識を増やして実践することをお勧めします。

手引きに書かれてあることを右から左へ額面通りにそのままするだけではなく、常に記載されていることの背景を考えることで、田植え期のトラブルを未然に防ぐことができるといえるでしょう。何度も何度も読み返してみてください。そして重要なのは、それらを実践し、その結果を手中に収めることが一番!考えてばかりでは頭でっかちになってしまい、前に進みません。

 

こちらは獣害対策のために、電柵を設置されていました。補助が出るとはいえ、自己負担も大きく、生産者さんのご苦労には頭が下がります。こちらの圃場、畦といいこの電柵といい、とても丁寧に圃場を整えてくださっています。生産者さんは、お話していても穏やかでニコニコとされていて、とても素敵なご夫婦なんですよ^^

こちらはイメージ画像をお借りしました※当会の認証田ではありません
こちらはイメージ画像をお借りしました※当会の認証田ではありません

ところで、水田には”小さなダム” の役割があります。
水は高い所から低い所へ流れる特性があるわけですが、流れ出す水が長い距離を進むにつれ、大きな運動エネルギーを持つようになります。これが山の斜面など遮るものがない場所では、コントロール不能なほどのエネルギーに増幅させます。この最たるものが土石流です。(このところ連日報道されている広島の土砂災害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます)

 

水田があると、畦が水の落差を小さくし、水の流れる勢いを小さく留めることができます。また、土壌浸食を起こさないため、圃場に蓄積される養分や生態系が保持されます。アジアモンスーン地帯で降雨の多い日本において、土壌浸食のないこの水稲農業が古代より国内全域に広がり根付いたのも頷けますね。当会が野菜(=畑)よりも先にお米(=田)で自然栽培を学ぶことを奨励しているのも、このようなところにも理由があります。

さて、こちらは生産者Nさんの作られた苗。

なんてやさしい緑色をしているんでしょう!

 

肥料を施していない自然栽培の作物は、このように薄い緑色をしています。これはクチクラ層という保護膜に包まれているため。葉物野菜やお豆など、沸騰しているお湯にくぐらせると、彩りよい緑色に変わりますが、あれはクチクラ層がなくなって、本来の緑が出てくるんですね。クチクラ層は人間の毛の表面にもあるんだそうですよ。

 

いろいろな生産者さんの苗を拝見していると、苗の様子もそれぞれ違っているんです。やさしい苗、力強い苗、ちょっと自信なさそうな小さな苗や、やる気満々の苗等々…^^

 

作る人の性格が出るのか、はたまた、土地や作物が人の性格を作っているのか?

ニコは巡回を繰り返しているうちに、後者なのではないかと思えるようになってきました。

なぜかって?それは自然栽培を知れば知るほど、理由がわかってくるようになりますよ(^_-)-☆

圃場巡回レポート<農家の知恵編1>

「NPOのBlog、一番楽しみにしているのが巡回レポートなんですよ~」嬉しいメッセージをいただき、有頂天の広報係です(〃⌒ー⌒〃) 今回は、除草作業に汗をかく皆さんのところへお邪魔したときのレポートです!

こちらは県立興陽高等学校の皆さんの認証田。興陽高校さんは嬉しいことに、後輩の皆さんが今年も継続して自然栽培に取り組んでくださっています。興陽高校さんもほかの生産者さん同様、NPOの趣旨をご理解くださって認証規定を守り、支援者のためにきちんとお米を出荷してくださっています。現在流通している平成25年度米の中にはこの興陽高校さんのお米も入っているんですよ~。(何だか若返りそう!?)

ところで…あらら?このスカスカ具合。

ジャンボタニシですね。2010年にも県南で爆発的に発生した、ジャンボタニシ。そのときほどではありませんが、今年県南では、またジャンボタニシが若い苗を食べてしまうトラブルが発生しました。ジャンボタニシは、やわらかい草を好んで食べるので、最初からできるだけ大きめの苗を植えておくのがよいのですが、なかなかそうもいきません。だからといって薬を撒くとアウト。お米の認証・買取りができません。

 

そこで、私たちが提案している方法は以下のとおり。

1)テデトール(=手で取る・笑)

2)野菜くずや米ぬかを団子にしたものを田んぼの隅へ置いて、誘引する

3)水の管理(ジャンボタニシは深水だと活動しやすい)

  ※ただし、浅水だと今度は草が繁茂しやすい

4)そのまま放っておく

 

食害で苗がなくなっても、残っている株がそれを取り戻すかのようにたくさん分けつしてくれますので、あまり神経質にならなくていいですよ、とお話しています。そのうち苗が生長して固くなれば、逆にジャンボタニシは周辺の草を食べてくれるようになります。これぞ、天然の除草隊^^ 何とか害を駆逐しようと躍起になるのは、収量を失いたくない!という人間都合の発想で、これは自然栽培思考とは言えません。自然の動きに人間が合わせる方法を考えたいものです。

 

こちらは新規で参加されたNさんの圃場(右側)。

慣行栽培の圃場とお隣同士です。Nさんは近隣の農家の方とも日頃から仲良くお付き合いをされているので、木村式に参加していることについても理解してもらえるよう、気遣いを忘れません。お互いに気持ちよく栽培ができるよう、畦からかなり離れたところへ苗を植えていらっしゃいます。もちろん、畦草の除草も欠かしません。

 

「自然栽培は環境にやさしい栽培なんじゃ!薬を撒いとるそっちの方がいけんのじゃから、こっちに薬を撒かんでくれ」といった、自分都合の高飛車な態度は自然栽培思考ではありません。いろいろな栽培方法があって然り。

 

このような姿勢のおかげか、私たちがお邪魔するときには、いつもNさんの周りにはお友達の農家の皆さんが集まっていらして、自然栽培に関心をお持ちなのです。もう皆さん、興味津々!

農家×JA×NPOの3者で農業談義♪もうこの光景が嬉しくて嬉しくて!

 

「ちょっと、Tさん!こりゃあ、ええのを考えたなぁ!」

JAの名コンビ、Y&Kさんが見つけたのが生産者Tさんの秘密兵器↓

チェーン除草機の代わりにTさんが自作した、竹除草機(?)竹箒をバラして作ったのだそうです。「これ、軽ぅてええんよ~」とTさん。

竹が抜けてしまわないよう1本ずつステップル(電線配線用留釘)で留めています。芸がこ、こまかい!

 

▼Tさん「ある程度苗が大きくなったら、こんなのもあるで( ̄ー+ ̄)キラーン


わ!なんですか、これはっΣ(゚ロ゚;)


▼Tさん「これもええよ!ウチも買うたんよ~( ̄ー+ ̄)キラーン


わ、わ!自然栽培界で大絶賛のアイガモン。Tさんも買われたのですか!Σ(゚ロ゚;)


▼Tさん「まだあるで( ̄ー+ ̄)キラーン」 まだあるんすかーーー!


わぁー なんでそんな機械まで持ってるんですかぁぁぁ Σ(゚ロ゚;)Σ(゚ロ゚;)Σ(゚ロ゚;)

 

*****

 

というわけで、生産者の皆さんの飽くなき探究心には恐れ入りました。

 

最早、除草を楽しんでいらっしゃいます!

 

Tさんの創意工夫と道具収集能力の高さに感動していたのですが、この先このような生産者さんが続くことを、このときのニコはまだ知る由もないのでした。(つづくclcik!

耕起編はこちらclick!