成果報告会レポート<1>

レポート報告の前に、取り急ぎお知らせです。

まるみ麹本店さんの「味噌づくりワークショップ&工場見学」はおかげさまで、定員に達しましたので締め切らせていただきます。たくさんのお申込み、ありがとうございます。

(キャンセルが出ましたら、ご案内を再開いたします。)


2月6日に開催されました「岡山県自然栽培 成果報告会」、無事 盛会に終えることができました。たくさんの方にご来場いただき、どうもありがとうございます!

 

会の様子は、翌日2月7日の山陽新聞の地方経済欄にも掲載していただきました。

***

15年産は岡山、倉敷市など10市2町の農家110戸が前年比5割増の70ヘクタールに作付け。朝日と酒米・雄町を中心に同7割増の174トンを収穫した。報告会には生産者や消費者、流通関係者ら約180人が参加。

 

16年度は参加農家が150戸に増加する見込みで、作付面積100ヘクタール、収穫量270トンを目指す。』(古川 和宏)

―掲載欄より、一部抜粋ー

***

←画像をクリックすると、

記事を大きくしてご覧いただけます。



プログラム最初は、毎年ご好評をいただいている生産者発表。

当会の認証生産者の方々に、実際に一年間栽培をしてみての実感や今後の目標などを発表していただきます。

発表者の皆さんには、「良いところだけでなく、ありのままを率直に発表していただいて構いません」と予めお願いしています。皆さん、本当にその通りに発表してくださり、むしろ失敗したことで次回にどんな改善を試みようと考えているかを楽しそうに発表してくださいます。

 

どの発表も本当に素晴らしかったのですが、特に会場で高い評価を得ていたのが、岡山県立興陽高等学校の生徒の皆さんのパワーポイント発表。3年前より木村式自然栽培に取り組んでくださっています。一部、ご紹介させていただきます。



初年度は「まずはやってみよう」というところから始まっていましたが、3年目となった今回の発表では、現代の様々な農業にまつわる問題から、自分たちで何を課題に研究すべきか、「継続できる営農」「栽培条件」「圃場環境調査」・・・これらにポイントを絞って取り組み、育苗から除草機の自作、収穫米の成分分析に至るまで、プロ顔負けの実践を行っていました。

 

興陽高等学校農業科では元々、慣行栽培やアヒル農法など、さまざまな栽培方法にとりくんでいらっしゃいます。自然栽培については、有志の生徒さんらによって立ち上がった取り組みですが、各種ある栽培法をどれも公平に取り上げている姿勢がとてもフェアで、「農業人」としての将来性を感じます。

会場にいたJA・全農等、農業のプロといえる方々からも「これは素晴らしい!」と絶賛でした。

成果報告会レポート<2>

生産者体験報告のあとは、県外からお越しいただいたゲストの発表。

 

●農業生産法人「みどりの里」より、自然栽培農家の野中 慎吾 様(愛知県豊田市)

野中さんは、愛知県豊田市にあるスーパーやまのぶ(株式会社山信商店/後述)が設立した農業生産法人「みどりの里」の初代農場責任者さんです。

やまのぶの山中会長からスカウトされ、自然栽培の研修を受けた後、「みどりの里」の圃場で米、野菜、そして看板商品となるイチゴの生産に取り組んでいらっしゃいます。


研修後も今も研鑽をつみ続け、普通の栽培作物と遜色のない色・形にまで育てた野菜を店頭に並べていらっしゃいます。また近隣の農家の人達とも勉強会を開いています。この勉強会は、自然栽培だけでなく、慣行栽培や有機栽培の人たちも集まり、お互いの得意分野を披露しあうことで、自分の課題のヒントを得るなど、大変有意義な会となっているようです。

また最近では、「農福連携」にも力を入れているそうです。ステージでは、こうした取り組みの様子をご紹介いただきました。

 

ちょうど報告会の開催日、2月6日には野中さんのこれまでのイチゴの自然栽培奮闘記をまとめた本が出ました。

『希望のイチゴ』田中 裕司 著 扶桑社 ¥1,080

 

たくさんの人たちとの縁が自然栽培の世界へと引き込んでいく様子や、イチゴを自然栽培で育てることがいかに困難であるか、臨場感あふれる筆致で描かれています。

 

●株式会社ハッピーナチュラル代表 田中 美帆 様(岐阜県恵那市)

田中さんは、「ナチュラルなもので、日々の生活に彩りと、幸せを」という想いから、ママの視点で選んだ衣食住の商品をオンライン販売していらっしゃいます。

http://www.happynatural.jp/

ご自身の体調不良や、2男2女のお子様のアレルギーを食生活から見直したことで、克服されたご経験をお持ちです。そんな田中さんが、当会の認証米「朝日」に目を留めてくださり、認証店への申請があり、お取引が始まりました。

▲岡山県産 木村式自然栽培米「朝日」のお買い物レビュー
▲岡山県産 木村式自然栽培米「朝日」のお買い物レビュー

オンラインショップ「ハッピーナチュラル」では、お買い物レビューも公開されています。

おかげさまで、「朝日」の評判は上々!リピートが多いのも特徴なのだそうです。小さな子どもを持つママ世代を顧客に多く持つショップで、このような評価をいただけるのは本当に嬉しいです。


●スーパーやまのぶ(株式会社山信商店)生田友成 様(愛知県豊田市)

先にご紹介した、「みどりの里」の母体となっているのが、食品スーパーマーケット5店舗を展開する株式会社山信商店さんです。ほかにレストラン4店舗も運営されており、「みどりの里」で栽培された野菜などは、これらのスーパーやレストランへ卸されています。当会の「朝日」もこちらの一部レストランへご提供させていただいています。

http://www.yamanobu.co.jp/original/cultivation.html

 

スーパーやまのぶさんでは、自然栽培のコーナーを特設しています。そうなると、市場から来る一般の栽培野菜とダブってしまうことも。そんな時こちらでは、会長の山中 勲さんの”鶴の一声” で、自然栽培の野菜が店頭に出されるのだそうです。これには驚きます。

 

木村秋則さんの古くからの支援者でもあった山中会長は、安全・安心な食材を誰もが買いやすい価格で提供したいという強い想いを貫く経営者。会長のこの情熱とリーダーシップが、自然栽培農家が安心して栽培に専念し、クォリティの高い作物を実現させる原動力となっています。

 

またこうしたお店のポリシーは、消費者へも確実に届いており、やはり子どもに安心な食べ物をと考える主婦たちの支持を集め、近くに大型商業施設が出来た際にも、売り上げにはまったく影響が出なかったという伝説をお持ちです。

今ではこうしたママさん達が集まってメニュー開発・お惣菜を作るコーナーまで立ち上がっているそうです。

mama's kitchen ことり http://mamankotori.wix.com/kotori


このように当会では、自然栽培で作られたものがどんな想いで、どのようにして作られているのかをきちんとご理解くださるユーザーのみに、認証米「朝日」をご提供しています。

 

「いいモノっていうのはわかりました。では、どのくらい安く仕入れさせてもらえますか?」と安易にディスカウント交渉をなさる所へはお繋ぎしていません。『奇跡のリンゴ』のネームバリューや流行に乗りたいだけの方もお断りしています。

 

先日、売れ残った大量の恵方巻が廃棄処分されていることが話題になっていましたが、これはただの「モノ」として扱われてしまった悲劇なのではないでしょうか。処分された恵方巻にも、お米を作った人、野菜を作った人、海苔を作った人、酢を作った人、調理に携わった人、店頭へ配送した人・・・いろんな人達の手が介されたはず。

 

私たちは「朝日」はただのモノではなく、想いと命の込められた「宝」として、需給バランスを非常に大切に考えています。ここまでの覚悟を持ってNPOは販路開拓をがんばり、支援ユーザーの方々もそれに応え、買い叩くことなくリスクを背負ってお買上げくださっています。

 

どうか生産者の皆さんもその想いに支えられていることを自覚し、責任と誇りをもって生産していただきたいと思います。「ノウハウだけ教えて」「ちょっとくらい…」という甘えがある方は、真の自然栽培農家にはなれません。どうか日々田んぼと向き合い、支援してくださる方々の期待に応えてください。

健全な食の生産と、健全な流通の実現。

それを支えているのは、国でもJAでも、企業、団体でもありません。

 

健全な社会は、つくる人、たべる人、一人一人の自覚から始まります。

つづく

 

 

成果報告会レポート<3>

会の後半は、県内の支援ユーザー、大阪府木村式自然栽培実行委員会、そしてお米の精米や袋詰めなどし“ 商品 ” として調整してくださっている岡山パールライスの方にお話していただきました。

 

「奇跡のお酒」を造ってくださっている菊池酒造株式会社さんは、NPO設立当初から関わり、杜氏の菊池 東 代表は副理事長も努めています。本当にお米が実るのかどうかさえ分からなかった1年目から参画し、初めてお酒を造るというのは、まさしく「賭け」だったと思います。それが今では、国内で数々の賞を受賞し、有名デパートでの取引だけでなく、海外へも進出しています。岡山で育まれた味が、海外でも称賛を浴びていることが嬉しいですね。

ニューヨークでは、高値で取り引きされているという「奇跡のお酒」。菊池社長は、「適正価格という意味では、あまり高すぎるのもどうかと思っています。一気に人気が出てブームになるのではなくて、ロングランで飲まれるお酒になって欲しい」とのこと。


この取り組みは、メディアの目にも度々留まるようになってきました。現在発売中の雑誌「男の隠れ家」2016年3月号は、『地元で愛される老舗酒造と旨い酒』の特集。この誌面に、8ページにも渡って菊池酒造さんが取り上げられました!ぜひお手に取ってみてください。

 

『自然に学ぶ味噌づくり』のまるみ麹本店さんも、今や県外からもオファーが絶えない人気店です。総社市美袋という静かな田舎町で、決してアクセスのよい立地というわけではないのに、あちこちから引っ張りだこ!当会とのコラボイベント、「味噌づくりワークショップ&工場見学」は、一週間も経たないうちに定員に達してしまいました。山辺代表のお話を伺っていると、堅実な販売を基盤にしつつも、吉野杉の樽を購入したり、積極的にイベントへ参加したり、思い切りのよい投資を続けていらっしゃるのがわかります。当会へ参画されたこと自体も、そのひとつ。

 

健康志向の高い人のあいだで広がっている「発酵」「腸内フローラ」というキーワードがタイミングよく追い風となって、今やまるみ麹本店さんは、飛ぶ鳥落とす勢いです。

 

*****

このように、「他所が成功しているのを確認してから、自分もやってみる」というのではなく、「まずは自分から!」という心意気が、成功につながっているようにも見えます。

県内企業の方々にCSRもしっかり取り入れながら元気になっていただくというのも、当会の事業目的のひとつとなっていますので、こうしたユーザー企業が増えてくださるのはとても嬉しいこと。

 

理事長の髙橋は常々、「まずは先に出さないと、入ってはきません」といいます。

「皆さんに『深呼吸してみてください』と言うと、まず息を吸う人がほとんど。でも、本当は先に吐き出さないと、新しい空気は入ってきません。赤ちゃんは生まれてオギャーと泣くと同時に息を吐き出し、人生をスタートさせます。そして人生を終えるとき、人は息を引き取ります」

・・・なるほど。言い得て妙ですね。それが自然の動きというものでしょうか。

 

当会が所在する倉敷市には、倉敷紡績(クラボウ)、倉敷絹織(現在のクラレ)、中国合同銀行(中国銀行の前身)、中国水力電気会社(中国電力の前身)の社長を務め、大原美術館、大原奨農会農業研究所(現・岡山大学資源生物科学研究所)、大原社会問題研究所(現法政大学大原社会問題研究所)を設立するなど、社会・文化事業にも取り組み、倉敷の町を築き上げた、大原孫三郎という偉大な実業家がいます。

 

この大原氏も「仕事を始めるときには、10人のうち2、3人が賛成するときに始めなければいけない。1人でも賛成がないというのでは早すぎるが、10人のうち5人も賛成するようなときには、着手してもすでに手遅れだ。7、8人も賛成するようならば、もうやらない方が良い」と語っています。

 

“貰うこと” ばかり考え、“溜め込んで” いるが故に前に進めず、行き詰っているのが今の世の中。自然の動きにならって、「流れ」をよくしてみてはいかがでしょうか。「流れ」がよくなれば、「循環」が始まります(^▽^)/

つづく

 

成果報告会レポート<4>

最後には大阪府木村式自然栽培実行委員会(以下、大阪実行委)の皆さんからの報告。

「なぜ大阪?」…そんなお問合せをいただくことがありますので、ここで少し経緯をご紹介。

 

元々、岡山では専業・兼業問わず、お米を作っているご家庭が多いんです。なので、「うちは自分ちでお米を作っているから」「親戚がお米を作っていて貰ってるんよ」といった方がたくさん。岡山県は「生産県」なんですね。そこで、県内だけで消費を喚起するだけでなく、もっと県外へもこのお米を食べていただける人を…ということになり、「じゃあ、大阪は消費県ということでいきましょう!」と、ひと肌脱いでくださったのが、大阪の皆さんなんです。

 

今、大阪実行委の皆さんが特に力を入れてくださっているのが、幼稚園・保育園・学校の給食に、自然栽培のお米を食べてもらうこと。稲田理事長・杉本副理事長からは、最近の子どもの「食」の貧困に話が及びました。稲田理事長たちは、炊き出しボランティアなどの活動もなさっています。

 

豊かな国といわれるこの日本で、最近まともにご飯を食べていない子ども達が増えています。経済的なことが理由であったり、親の育児放棄であったり、理由はいろいろとあるのですが、とにかく朝ご飯や晩ご飯をまともに食べていない。菓子パンやおやつが置いてあるだけ。…そのような家庭の子どもは、給食だけが唯一のご飯なので、これでもか!という程、給食をほおばるのだそうです。ゆくゆくは、こうした現状の子ども達へも自然栽培のお米を食べてもらい、元気になってもらいたいと考えているとのことでした。

 

人間は、食べたもので出来ている―――ちゃんとした「食」が整うと、子ども達は身体だけでなく心も整ってきます。

 

この考えにいち早く賛同された、学校関係者の方も駆けつけてくださいました。大阪清風学園の平岡副校長先生と、三ツ島保育園の岡本園長先生です。

 

「これからは、モノではなくコトが大切にされる時代になっていくと思います!」と力強くお話くださったのは平岡先生。1000人近い人が集まる学校説明会の場で、食堂を建設中であることを説明した際、ほんの数秒、自然栽培のお米を導入する予定であることを触れただけなのに、翌日からお問合せが殺到したそうです。塾業界でも「清風学園が、食に力を入れて生徒をサポートするらしい!」と、瞬く間に噂が広がったのだとか。「この取り組みは、これからの世の中のためになるコトですから、ぜひ皆さん、これからもよいお米を作ってください!」と激励してくださいました。

 

岡本先生の保育園でも、「このご飯が美味しいんでしょうね、子ども達、ご飯だけをおかわりするんです^^」と、とても嬉しそうにお話してくださいました。落ち着きのなかった子が、びっくりするほど落ち着いて来たのだとか。これは本当に嬉しいですね。子ども達が美味しくご飯を食べてくれている様子、いつか生産者の皆さんにも見ていただきたいです。

 

これからの将来を担う世代に、健全な食を提供し、自然栽培の「相手を想い、やり過ぎず、やらなさ過ぎず」という精神も一緒に届けることができたなら、きっと子ども達は健やかに育ってくれるのではないでしょうか。今、教育力の低下が叫ばれていますが、そこだけを見ているのではなく、案外「食」や「環境」を整えるほうが、早く解決へつながっていくのかも知れません。ちょっと使い方が違っているかも知れませんが、『将を射んと欲すればまず馬を射よ』なんていう諺もあるくらいですしね。^^

 

*****

こうして、多くの皆様が関わりご支援くださったおかげで、平成27年度も無事、締めくくることが出来ました。会場へは、JA・全農グループの皆様もお越しくださっていました。NPOスタッフが少ない為、何かあればすぐにサポートできるように…と、会のほとんどの時間、椅子に座らずに立って見守ってくださった方もいらっしゃり、会場設営から片づけまでお手伝いくださいました。目立たない所、見えない所に隠れている善意こそ、私たちNPOは見逃してはいけないなと思う出来事でした。

 

平成28年も生産者数・圃場面積がどんどん増えています。

小さな善意が大きな輪へと広がるよう、今年度もどうぞ皆様、ご支援よろしくお願いいたします(^▽^)/

 

(レポート終わり)

 

料理教室 3月からのスケジュール更新

11月からスタートした「やさい食堂こやま×自然栽培 料理教室」。だんだん顔なじみのメンバーもそろいつつ、新しい参加者さんもいらして、毎回アットホームな雰囲気の中でお料理の楽しさを味わっていただいています。包丁の持ち方から始まって、野菜のどの部分をどのように切れば野菜の持つ生命力を活かせるか… なんていうお話を聞きながらお料理が進んでいます。

 

先日体調不良だった小山先生ですが、すぐに復活!3月から7月までの調理室の予約も完了し、これに合わせてメニューも一気に決まりました。

 

日曜日開催ですので、お子さんはパパやおじいちゃん&おばあちゃんに頼んで、「ママは美味しいお料理習ってくるね~♪」なんて、いかがでしょうか。レッスンの前後の時間を利用して白壁の町倉敷を散策する…なんていう一日も素敵かも♪ (平日開催希望のお声も頂戴していますので、未定の月で出来るだけお応えできるよう調整もしたいと思います<(_ _)>)

 

▼スケジュール&メニューの詳細とお申込みは、こちらのページでご覧ください。

http://www.oka-kimurashiki.jp/home/料理教室のご案内/