自然栽培をする理由

名もなき人々が名もなき人々のために黙々とつくる、尊いお米

 「日本の農業をダメにしたのはJA」とまでいわれてきたJAと、農家の人が、仲良く田んぼ談義に花を咲かせ、そこへNPOがいる光景です。自立した者同士が相手の領域を侵すことなく、適材適所で自分の得意分野を発揮し、ミッションが終わればそれぞれの持ち場へ帰る。

 

もう一度、農業をやり直そうとしている人たちの姿。

 

名も無き人たちが、自らの名を挙げることもせず、誰の目に留まることもなく、木村秋則さんの残した轍を歩き始め、偉業となり得ることを成し遂げようとしています。



理事長の高橋は言います。「近江商人の言葉を知っていますか。『売り手よし、買い手よし、世間よし』…売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が喜び、さらに商いを通じて地域社会に貢献し世間に喜んでいただく。売り手と買い手だけじゃダメなんです。2~3の会社が潤うことは簡単なんです。でも、この取り組みはもっと大きなスケールで広がらないといけない。



そのためには、自分だけがノウハウを持ち出して有名になろうとしたり、買い叩きしたりはせず、然るべき仕事をした人へは、然るべき対価を支払う。農家の方へ適正な金額で買取りを行う。農家はきちんとお米を提供する。企業は誠実なモノづくりをする。消費者は適正な価格で購入する。独占や横取りはしない。

NPOには、皆で考えて設けた「認定規定」というルールがあります。最初は少し窮屈かも知れませんが、各々が自分の主張を言い張っていては社会は成り立ちません。ルールというものは、お互いを思いやり、譲り合うための知恵なんです。その中で皆が一緒に成長する。そうすれば、ルールは必要なくなります。農業から再出発して、日本全体が健全になっていかなくちゃいけない。」


「自然栽培のものは体によさそうだし、すごく美味しいというのはわかったんだけど、特別に揃えている自然食品の店まで買いに行くのは大変。ネットで買うのにも抵抗がある。その辺のスーパーで簡単に誰でも自由に買えるようになってくれないかな…」

こうした世間の多くの要望に応えるためにも、まず生産量を増やさなくてはなりません。生産量が増えたとしても、それを引き受ける流通が充実していなくては売れ残ります。(木村秋則さんは、リンゴを作るのに10年、売れるまでに11年の月日を要したと言われ、ここに大変ご苦労されました。)私たちは、自然栽培の作物が広く流通に乗ることを願い、JAさんにも参画をお願いし、たくさんの企業にもお声がけしています。




生産者さんたちが安心して栽培だけに専念でき、消費者の方々が安心して食材を買うことができ、そこへ関わる企業が社会貢献をしつつ利益を生む。その利益が再び個人へと還元されていく・・・

 

自然栽培は農業・・産業である以上、その栽培方法は産業として成立させるための手段でしかありません。しかし、自然と対峙し、自然の中で生き物たちが調和することの大切さを学び、作物と食べる人のことを想って作る自然栽培の教えには、手段以上の、「生き方」にまで昇華される尊い姿があります


この取り組みには、これからの社会をよくしようと自分の出来ることで挑戦している方々との出逢いがあり、充実した気持ちが得られます。多くの人に自然栽培の素晴らしさを体験して欲しいと願っています。